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2017年に公開された「劇場版ポケットモンスター キミにきめた!」は初期のポケモンに親しんだ世代待望の映画でした。
一般に「無印編」と呼ばれるテレビアニメ初期のエピソードを原案とした作品です。
「無印編」は1997年に放送が始まりました。
それから20年後に公開された本作は、かつて無印編を見ていた世代が親になりその子供たちと揃って楽しめる内容です。
テレビシリーズとパラレル関係になる本作は主人公・サトシとピカチュウが出会い友情を深める姿が描かれてきました。
終盤で傷ついたサトシにピカチュウが喋りかけます。なぜピカチュウは喋ることができたのか。
この記事では傷ついたサトシの死亡と復活が示す意味も深読みし、それらを考察します。
サトシとピカチュウの友情
最初にサトシとピカチュウの友情の過程を振り返ってみましょう。
命を懸けた二人
オーキド研究所でのサトシとピカチュウの最初の出会いは最悪でした。
サトシこそピカチュウと仲良くなりたいと望んでいましたが、ピカチュウはそれを拒み続けます。
ひょんなことからオニスズメの大群に襲われた二人でしたが、この出来事が絆を深めます。
この時サトシは命がけでピカチュウを守ろうとしました。
その姿に心動かされたピカチュウは渾身の力を振り絞りサトシを助けています。
お互いがお互いのために命を懸けたことにより、二人に初めて友情が芽生えました。
ピカチュウへの信頼
クロスとのバトルに敗れたサトシは現実を受け入れられませんでした。
リザードではなくピカチュウを戦わせれば勝てていたとさえ考えます。
これは現実からの逃避ですが、同時にサトシにとってピカチュウは心から頼れる存在であることが示唆されていました。
二人はトレーナーと飼育されるものという関係に留まらない、まさに対等な立場の相棒同士です。
旅の途中で様々なポケモンに出会うサトシですが、やはりピカチュウへの気持ちは一番強いのでした。
それは力だけを求めてポケモンを道具のように扱うクロスとの対比になっています。
ピカチュウが喋る理由
死にかけたサトシが見たのはピカチュウが喋る姿でした。どうしてピカチュウは喋ったのでしょうか。
喋ったのは幻覚
一つ目の可能性として考えられるのは、これはサトシが見た幻覚だったということです。
マーシャドーに操られたポケモンたちの攻撃を受けてサトシは瀕死の状態でした。
息も絶え絶えの状態でしたが、それでもサトシはピカチュウのことを心配しています。
その必死の精神状態が、サトシにピカチュウが喋る幻覚を見せた可能性は考えられるでしょう。