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1999年公開の3部作最初の作品である「マトリックス」は、過去の作品です。
しかしネット依存症といわれる今、コンピューター支配が現実味をおびてきました。
更に宗教的なメタファーが数多く散りばめられていることでも有名です。
「マトリックス」は、まさに知るものこそが楽しめる映画といっても過言ではありません。
多数のメタファー(暗喩)やマトリックスコードの秘密にフォーカスを当て作品を徹底解説致します。
気づきを楽しみ映画を数十倍楽しみましょう。
マトリックスとは
映画のタイトルにもなっている「マトリックス」ですが、すでにタイトルからメタファーが使用されています。
Mayrix(マトリックス)とはどのような意味なのでしょう。
元来は子宮を意味する
ラテン語では子宮を意味するマトリックスですが、転じて「生み出すもの」「生み出す場所」といった意味合いを持ちます。
子宮を意味することから、母体そのものを指したり基礎部分を意味したりします。
通常は行列式から
一般的な意味でとらえるならば、マトリックスは数字の行列式を指します。
横である「行」と縦である「列」の全体をさしてマトリックスと呼ばれます。
SF世界では仮想現実
アメリカのSF作家、ウィリアム・ギブソンによってマトリックス=ヴァーチャルリアリティという方程式が生まれました。
ちなみにウィリアム・ギブソンはサイバースペースという考え方を構築した人物としても知られています。
このように様々な意味を含む「マトリックス」は、観るものに選択肢を与える存在として本作品にふさわしいタイトルなのです。
マトリックスに隠されたメタファー
「マトリックス」は多くのメタファーが使用されている作品として有名です。
しかし、日本人にとってあまり馴染みのないラテン語やキリスト教についてのメタファーが多いのが特徴です。
窓の石鹸がコードを示す
序盤でネオ(トーマス)が上司に叱られた時、窓を流れる石鹸水が見えます。
この流れはマトリックコードを示し、ネオが会社に残ると告げた時石鹸水が消えていきます。
この石鹸水はネオが最初にマトリックス世界から抜け出すきっかけと、それを失った瞬間を表現しています。
石鹸水が流れたことでネオは「気づき」から遠き、再びコンピューターが仕組んだマトリックス世界の住人に戻ったのです。
不思議の国のアリス
ネオのパソコンに映ったメッセージは、白うさぎの後を追えという内容でした。
いうまでもなくこれは不思議の国のアリスの内容です。
物語のアリスは夢を見ている設定ですが、まさにネオは夢を見ている状態なのです。
更にネオが薬を飲み鏡に覆われますが、これは鏡の国のアリスをメタファーしているのではないかといわれています。
色が示すメタファー
マトリックスでは、色による表現も豊かに取り入れられています。
仮想世界であるマトリックス内部では緑色をメインに使い、現実の世界では通常の色を使用して区別をはっきりとさせています。