獅子尾の慎重な態度は、すずめにとって不安をあおる態度でしかなかったといえます。
そしてこの微妙な距離こそ、愛を冷ましてしまう原因になったのではないでしょうか。
獅子尾はすずめにとって流星だった
気持ちを確認した獅子尾は、改めてすずめに告白しました。
ずすずめがその想いを断った理由を深く掘り下げてみます。
憧れの存在だった
先生はその流れ星に似ています
引用:ひるなかの流星/配給会社:東宝
上記の劇中の台詞がすべてを物語っています。
獅子尾はすずめにとってひるに流れる流星のように、まばゆい存在でした。
昼の流星はすずめにとって特別な意味を持つものです。
子供のときから見上げてきたひるの流星は、自分の希望であり憧れの存在といえます。
獅子尾はすずめにとって新生活での希望であり、憧れの男性だったのです。
つまり、自分と肩を並べて歩く恋人ではなかったということを示唆しています。
見上げる存在
獅子尾はすずめにとって、流星のように見上げる存在だったのかもしれません。
頑張らないと手が届かない、一緒にいてドキドキするけれど安心感がないそんな存在だったのでしょう。
教師と生徒という立場も、獅子尾を見上げる存在としていたのです。
生徒だから、という獅子尾の気遣いがふたりの間に修正出来ない溝を作っていたのかもしれないですね。
同級生である馬村は、その時点で有利な立場にいたのかもしれません。
「がんばれ」はすずめの揺れる心
劇中の体育祭ですずめは思わず「がんばれ」と叫びました。
この短い言葉はすずめの揺れ動く気持ちを上手く表現しています。
「がんばれ」は獅子尾先生へ向けた言葉
劇中でのアンカー勝負、すずめは馬村の方が勝つと思っていたのでしょう。
そんななか必死に頑張る獅子尾へ向けて声援を送ってしまいます。
馬村と付き合っているにもかかわらず、まだ獅子尾をひきずる気持ちが残っていたのです。
がっくりした理由
すずめは獅子尾を応援して負けたからがっくりした、というわけではありません。
思わず獅子尾を応援してしまった自分にがっくりしたのです。
すずめは自分の中にある、中途半端な揺れ動く心にうんざりしてしまったのかもしれません。
馬村はストレートに気持ちをぶつけて来てるにもかかわらず、自分がその気持ちを受け止められていないと感じたのでしょう。
また深く考察すると、馬村はすずめが獅子尾を応援していたと勘づいていたと考えられます。