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2013年に日本で公開されたディズニー映画『シュガー・ラッシュ』。
ゲームの世界の裏側や、悪役キャラの苦悩を描いた斬新な設定が日本でも世界でも人気となりました。
今回の記事では、その続編となる『シュガー・ラッシュ:オンライン』のテーマを前作と比較し徹底解説します。
今回のテーマから読み取れるディズニーが描きたいこととは。
そして、エンドロールに登場した女の子が何者かにも迫っていきたいと思います。
そもそも『シュガー・ラッシュ』のテーマって?
ディズニーは、1900年代や2000年代前半では、基本的に男女における「真実の愛」を描き続けました。
しかし、近年ではその傾向は変わり続けています。
特にわかりやすいのが『アナと雪の女王』で姉妹愛を描いていますが、『シュガー・ラッシュ』では友情を描いています。
ラルフはヒーローと対になるゲーム上における欠かせない存在でありながらも、悪役キャラでもあります。
そのためゲーム内のキャラクターからは誰からも尊敬されず、受け入れられません。
一方のヴァネロペも同様です。
キャンディ大王の策略によって、ゲームの中ではバグとして扱われ、誰からも受け入れられない存在となります。
同じような境遇の二人が、不器用ながらもお互い強い絆を築き上げていく様子が映画内ではしっかり描かれています。
変わりゆく二人の友情
『シュガー・ラッシュ』で二人は強い絆を築きます。
ですが、その友情に大きな変化が見られるのが今回の『シュガー・ラッシュ:オンライン』。
ではどのような変化が二人に起きたのでしょうか。
そちらを見る前に、まずは従来のディズニー映画における男性キャラと女性キャラの関係性から見ていきましょう。
ここも違う?従来のディズニー映画との違い
特に1990年代や2000年代前半のディズニー映画では、王子様と王女様の運命的かつ不変的な「真実の愛」を描いています。
王子様も王女様も出会う前からお互いのことを愛すべき存在として知っています。
そして二人が結ばれた後、ナレーションなどより、二人の関係が一生続くといった示唆が入ります。
従来のディズニー映画の主人公達にみられる運命的・不変的な関係。
それが、今回の『シュガー・ラッシュ:オンライン』で大きく変わりました。
ラルフとヴァネロペのお互いの視点からどう関係が変わったのかみ見ていきましょう。
ラルフにとってのヴァネロペとは
前作ではラルフは最終的にヒーロー役にこだわることをやめて悪役キャラとしての自分を受け入れました。
それは自分にはヴァネロペがいてくれる、自分がヴァネロペの大切な友達であるという意識からです。
ラルフにとっては代わり映えのしないゲーム世界の日常でも、ヴァネロペさえいてくれれば十分でした。
しかしヴァネロペが本当に望むものを見つけ、それに向かっていく姿に、ラルフは激しい不満と焦りを感じます。