これから全く違った生活が待っているメドメルに対し、レイリアは「どんな環境であっても自分は自分で、自由である」ということを伝えたかったのではないでしょうか?
そして飛んで行ったレイリアについて、メドメルは「お母様ってとてもお綺麗な方なのね」という言葉を残しています。
これはレイリアの容姿というよりも彼女の誇りや生き方に対して「お綺麗」だと評価しているものと考えられます。
「レイリア、飛んで」というマキアの声は幻聴だったのか?
レイリアには確かに聞こえていた
レイリアはマキアによる「レイリア、飛んで」という声に背中を押される形で塔から飛び立っています。
また、飛び立った直後に「私は飛べる」と返事をするようにつぶやいていることからもレイリアにはこの声は聞こえていたものと思われます。
実際にマキアは言葉にしていたのか?二つの仮説
しかし飛び降りた後、レナトに乗ったマキアが現れたことにレイリアは驚きの表情を見せます。
「まさかここにレイリアがいるとは思わなかった」という表情です。
このことから、二つの仮説が考えられます。
- マキアは「飛んで」とは言っておらず、レイリアの心が生み出した声であった。
- マキアは実際に「飛んで」と言っていたが、レイリアはマキアが現れるまでは幻聴だと思い込んでいた。
いずれもマキアが助けてくれるとは思っていない上での飛び立ちとなります。
では、なぜ助けがないと思い込んでいたのにも関わらず、レイリアは高い塔の上から飛び立ってしまったのでしょうか?
飛ぶこと=自由になること
レイリアにとって飛ぶこととは自由になるための儀式であると捉えることができます。
そのヒントとして、ストーリー中で「飛ぶ」というキーワードが出てきた印象深いシーンを2つご紹介します。
レイリアはレナトに自分の姿を重ねていた
レナトに乗って飛び立つシーンで、レイリアは「あなたも飛んだのね」とレナトに話しかけていますが、以前レナトとはこんな一コマがありました。
メザーテ軍によって連れ去られたばかりのころのレイリアは、自分と同じように城に閉じ込められているレナトを発見します。そんなレナトに対し問いかけていました。
「ねえ、どうしてなの。あなたたちは翼を持っているのに。どうしてここからとんでいかないの?弱虫。」
引用:さよならの朝に約束の花をかざろう/配給;博報堂DYミュージック&ピクチャーズ
この問いかけはレナトへ対してというよりも自分自身に対するものであったように見えました。
イゾルに対し「きっと私とレナトは一緒なの。伝説の世界にだけ生きるあやふやな存在」と吐露していたことからも、レイリアはレナトに自分の姿を重ねていたのでしょう。
そのため自由になったレナトに対し、「あなた”も”飛んだのね」という言葉が出てきたのだと考えられます。
パレードで
メザーテの王子との結婚パレードの際、レイリアは彼女を奪還しようとしたマキアと再会します。
しかしレイリアはマキアの手を振り払い、メザーテに迎合する姿勢を見せます。
その言動から自由になることを諦めたかのようにも見えました。
しかし、直後に強い志を持った表情で「私なら飛べる」と空を見上げていたことからいつか自分の手で自由を勝ち取りたいという気持ちがあるのだということが分かりました。
このことからレイリアにとって自由とは飛ぶということ、さらに言い換えると飛ぶこととは自由になるための儀式であったと考えられます。