確かに湯を沸かすほどの愛だったのかもしれませんが、まるでホラー映画のようだという意見も多いようです。
更にはこの家族は犯罪者だという意見も出ています。
確かに常識では火葬場に行き埋葬するのが常ですね。
自分が愛する場所でお葬式
観方を変えれば、自分が愛した場所で愛した人達に囲まれてお葬式をしてもらうというのは幸せなことなのかもしれません。
事実、昔は銭湯の亭主などはお風呂場で葬式をやっていたそうです。
湯を沸かすほどに熱い双葉の愛を家族でしみじみと感じているということになります。
煙突の煙は双葉自身を表す
銭湯の煙突から出てくる赤色の煙に違和感を感じた方も多くいるのではないでしょうか。
劇中で度々出てきた赤色は双葉を表す色なのです。
情熱の赤が好きと話す双葉は、赤いレンタカーに乗り、探偵の娘まゆちゃんから赤いお花をもらって喜ぶシーンもありました。
湯を沸かすほど熱い愛情を持った双葉が火葬され情熱的な赤い煙となり空から家族を見守っているのがこの煙突のシーンなのでしょう。
双葉の愛は家族に受け止められ天に昇っていったのかもしれません。
劇中に観るメッセージ
本作は死を描いた映画ですが、メッセージ性は「生きる」ということです。
生きるということ
残された時間の生き方に焦点を当て、生きるということはどういうことかを考えさせられます。
「死」によって残された人たちはどうなるのか、それらを描くことで双葉の生き方が見えてくるのでしょう。
『湯を沸かすほどの熱い愛』は、母としての生き方を新たな局面から描いた作品なのです。
もしも余命が後わずかだと宣告されたら、自分ならどう生きるのでしょう。
双葉の蒔いた愛の種
劇中で双葉は多くの人に愛を与えます。
そんな彼女の生き方を象徴しているのがヒッチハイカーの向井拓海ではないでしょうか。
やっと目的地見つけましたよ
しばらく、住み込みで働かせてもらいます
引用:湯を沸かすほどの熱い愛/配給会社:クロックワークス
目的が見つからず放浪していた彼に愛を与えた双葉ですが、自分の容態が悪くなったころ彼は戻ってきます。
向井拓海の存在は、銭湯を支える存在になり、彼女の蒔いた愛の種が実を結んだ証でもあるのです。
愛を求め愛を与えた双葉の人生
双葉は、死の間際多くの人に愛を与えました、それは彼女自身が愛を求めていたからかもしれません。
ひとりの母親の「死」を通して、生き方や残されたものの感情を切なく描いていました。
「死」があるから生きることを考えることが出来るのでしょう。