そして、夫に辛い現実を教えたのです。
ジョン・ナッシュに真実を語ることは彼女にとってどれだけつらいことだったでしょう。
そして真実を知った時のジョン・ナッシュはどれだけショックを受けたことでしょう。
しかし彼女は逃げずに彼の病気と向き合っていきました。
ジョンは幸運だった
ジョンは幸運な男だ
引用:ビューティフル・マインド/配給会社:ユニヴァーサル映画・ドリームワークス
ソルの言葉ですが、妻アリシアに支えられ愛されたジョン・ナッシュは本当に幸せな男だったのではないでしょうか。
そして彼は友達にも恵まれていました。
映画に描かれた統合失調症とは
統合失調症は以前、精神分裂症と呼ばれていたものです。
統合失調症の苦しみ
統合失調症は治らない病として認識されており、その対処法として劇中では下記のように説明されています。
何が現実で何が違うかを認識させるしかない
引用:ビューティフル・マインド/配給会社:ユニヴァーサル映画・ドリームワークス
ジョン・ナッシュは現実でも1994年にノーベル経済学賞を受賞するという偉業を成し遂げた天才数学者です。
しかしその半生は長きにわたる統合失調症との闘いでもあり、劇中の彼の場合は歳を追うごとに症状が大きく出ていました。
ジョン・ナッシュが見ていた「幻覚」と「妄想」は統合失調症特有の症状です。
本人にとっては現実であり、幻覚との違いを認識するのはとても難しいのです。
ジョン・ナッシュのように明確な姿として目の前に現れるケースは稀なようで、発病する人のほとんどが幻聴が主となります。
アリシアのように支える家族の負担
アリシアが彼を支える姿も描かれていましたが、現実でも家族は大きな負担を強いられます。
医者との連携やお互いを支えあう気持ちが大切になってくるようです。
どんな病気でもそうですが理想と現実は大きくかけ離れており、映画のようにすんなり克服出来るものでは何のかも知れません。
事実アリシアとジョン・ナッシュも一度離婚を経験しているようです。
夢と現実を区別するのは”美しい心”
目の前に現れる幻覚を意識的に排除しながら日々を生きるという苦行を続けたジョンが印象的です。
アリシアがジョンを信じる心と、ジョン自身が自分を信じる心が完治しない病気に奇跡を起こしたということではないでしょうか。
改めて『ビューティフル・マインド』は、直球でありながら実に感慨深いタイトルに思えてきます。