バーチやゴーストはピム博士の技術を盗もうとしていますが、研究所を渡せという取り合いは、実にトリッキーで単純明快な設定です。
量子研究所の技術というと難解でいまいちピンときません。
しかし劇中のように物(縮小された研究所)を取り合うシンプルさはわかりやすく、観客を置いてけぼりにさせない演出となっています。
身近なものを使いこなす親近感
「アントマン&ワスプ」の世界は、体が大きくなったり小さくなったり、そして物のサイズも大きく変化します。
現実離れした世界観なのに、なぜ親近感を強く感じるのでしょう。
子供のおもちゃのようなミニカー
サイズを変えることが出来る二人は、車も小さいものを持ち運ぶことが出来ます。
まるで子供のミニカーコレクションのようなケースが登場します。
おもちゃのミニカーが実際の車に変形する様子は、日本でお馴染み「ドラゴンボール」のポイポイカプセルを思わせます。
身近なおもちゃが任務遂行に使用されるシーンは、子供の頃に感じたワクワク感を思い出させるものです。
PEZ(ペッツ)が巨大化
ミニカーに続きキティちゃんのPEZが巨大な姿に変化します。戦闘シーンなのになぜかほっこりしてしまう夢のあるシーンです。
他のMCU作品で戦闘中にPEZが活躍することはないでしょう。
身近なおもちゃが次々と登場するので、もしかしたらありえるのかも知れないという親近感が高まります。
アントマンとワスプの対比が見どころ
「アントマン&ワスプ」の魅力は、何といってもアントマンのダメダメぶりといえるでしょう。
前作ではダメおやじの奮闘が話題になりましたが、今回は完璧なヒーローのワスプとの差が見どころとなっています。
アントマンのヒーローらしからぬところに共感
アントマンことスコットは、どちらかといえばヒーロー素質の低い人間です。
劇中では中途半端な子供サイズになったり、まるで怪獣のように海から現れたりコメディ要素も満載です。
どこか抜けているアントマンはヒーローらしからぬところが魅力なのです。
スパイダーマンが「親愛なる隣人」ならば、アントマンは「共感出来る友人」といった感じです。
スケールの小さいところが共感を生む
同時系列の「アベンジャーズ/インフィニティウォー」は、宇宙規模での戦いを行っています。
それに対し、アントマン達は身内のごたごたの為に戦っています。
またアントマンは「シビルウォー/キャプテン・アメリカ」で政府に反対するキャプテン・アメリカ側につきました。
しかし、他のヒーロー達のように水面下に隠れ活動するという選択はしませんでした。
アントマンは、大人しく政府の監視下に置かれ自宅で監禁状態になっています。