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1953年に公開された「ローマの休日」は、国内では翌年の1954年に各地で公開されています。
これまでのセクシー系のハリウッド女優と違い、清楚で可憐なオードリー・ヘプバーンの姿が話題となりました。
名作「ローマの休日」のラストシーンには、観るものに訴えかける強いメッセージが込められています。
そして世界中で旋風を巻き起こした、映画アイテムとは一体どのようなものなのか徹底調査いたしました。
Roman Holidayの意味
「ローマの休日」は、原題を観ると少々深い意味が隠されています。
もし仮に邦題の通りならば「Holiday in Roma」がタイトルになるはずです。
しかし原題は「Roman Holiday」となっています。
これはローマ帝国時代の休日に奴隷の剣闘士を戦わせたことに由来します。
残虐性を楽しんだことから「他人を犠牲にして自分が楽しむ」という意味合いを持っています。
ローマの休日というそのままの意味もこめ、ダブル・ミーニングの原題となっています。
ラストの言葉はアン王女の決意
劇中において観るものに解釈を委ねられる有名なシーンは、アン王女が記者会見するラストシーンです。
悲恋を明るいものにした一言
物語は愛するブラッドレーと一緒になれない悲恋のストーリーです。
しかし、結末はズルズルと相手を追うわけでもなく、悲嘆にくれて泣き暮らすわけでもありません。
記者の質問にローマが最高だったとアン王女が答えるシーンは、恋に区切りをつけた強い女性の姿を描いています。
大切な恋を忘れることなく、これから先の公務に励むというアン王女の凛とした決意とも取れます。
ブラッドレーへのメッセージ
同時に下記のアン王女のセリフは、ブラッドレーへのメッセージにも取れるのではないでしょうか。
何といってもローマです。私はこのローマでの思い出を一生忘れないでしょう。
引用元:ローマの休日/配給会社:パラマウント映画
ローマとはアン王女にとって街そのものではなく、ブラッドレーと過ごした甘い時間を指しています。
このローマをブラッドレーに置き換えると、ストレートな愛のメッセージに聞こえます。
国の為ではなく一人の人間としての意見
ラストシーンをさらに深読みすると、アン王女が放った個人的な意見には大きな意味が見えてきます。
発言の自由
ヨーロッパ周遊後、どの街が良かったかとアン王女は聞かれました。
通常の公務なら「どの街もすべてよかった」と答えるのが一般的であり、多くが求める答えです。
しかし彼女はローマが良いと個人的な意見を公にしています。
この言動の裏には、発言は抑制されるものではないというメッセージが隠されているのです。
国の為に発言を抑制させるのは間違っており、一人の人間として素直に発言できることが素晴らしいのだと観るものに投げかけます。
だからこそこのセリフを聞いたとき、観る者は心を震わすのではないでしょうか。
素直なアン王女の性格や、ローマでの甘い恋愛の日々にかけた一言のセリフが、発言の自由という強いメッセージを投げかけたのです。