出典元:https://www.amazon.co.jp/dp/B01J79KWCU/?tag=cinema-notes-22
『アイアムアヒーロー』は花沢健吾による漫画で、2016年に映画化されました。
人気漫画の映画化とあって、公開前から大注目されています。
謎多き作品ともいわれていますが、比呂美の正体やZQNに焦点を当てながら考察していきます。
大型ZQNはなぜ英雄を捕まえなかったのでしょう……。
タイトル『アイアムアヒーロー』が意味するものとは何か、深く掘り下げていきます。
タイトルの意味
タイトル『アイアムアヒーロー』とは一体何を意味しているのでしょう。
英雄という名前だけの存在
劇中の英雄は自分が英雄になるのを憧れていた青年ではないでしょうか。
それを示すかのように、冒頭部分の妄想には自分が仲間をリードする妄想が描かれていました。
英雄は、えいゆうと書いて英雄です。
引用:アイアムアヒーロー/配給会社:東宝
英雄の冴えない自己紹介ですが、自分の名前のようになりたいという思いがあったのでしょう。
タイトル『アイアムアヒーロー』には、英雄の思いが詰まっています。
HERO=英雄とのダブル・ミーニングであることはいうまでもありません。
二人にとってのヒーローになった
藪が本名を名乗り、英雄に名前を聞いたとき英雄は下記のように名乗っています。
ただの英雄です。
引用:アイアムアヒーロー/配給会社:東宝
彼は生き残るために比呂美や藪のことを守って戦いましたが、英雄が思い描くような理想のヒーローではなく、ただただ必死に守り戦っているだけの存在です。
彼は自分のことをダメなやつでヒーローではないのだと認めても英雄の優しさや強さ、そして勇気は比呂美や藪にとってヒーローだったのです。
英雄がヒーローにはなれないと自分を認め自分自身を受け入れた時、英雄は本当のヒーローになれたのではないでしょうか。
英雄君と一緒にいれば安全な気がする
引用:アイアムアヒーロー/配給会社:東宝
比呂美のセリフは、英雄が自分にとってのヒーローだといっているようにも聞こえます。
彼女は英雄と一緒にいたことで、ZQN(ゾキュン)として暴走しなかったのかもしれません。
人を思う心がヒーローだった
赤ちゃんに噛まれた
私もZQN(ゾキュン)になるかも……殺していいよ
引用:アイアムアヒーロー/配給会社:東宝
比呂美が噛まれているのを知っても英雄は彼女を撃ちませんでした。
この時の彼は恐怖心より、人を思う気持ちが強かったのです。
普通といわれていた英雄ですが、彼の優しさこそタイトルの意味する所だったのかも知れません。
異常な世界に置いて、常に常識を優先していた英雄は人としてかっこいい存在です。
本作に描かれたヒーローはアメコミに描かれるような、万人を救う理想的な存在ではありません。