それは観客が一目で状況把握が出来るようにしたことです。
原作のようにスパイダーマンの糸で首を負ってしまうのは視覚的にも心情的にも理解しにくいものとなり、それゆえ地面への落下という衝撃的な映像になりました。
ライノとの明るい戦闘シーンには意味がある
グウェンをなくしたピーターですが、ライノと戦闘するシーンがやけに明るく感じたという人もいるのではないでしょうか。
少々違和感を感じる場面となっていますが、実はこの違和感も監督の計算の内だったのです。
悲恋ものなら悲しみのまま幕を閉じていたでしょう。しかし「アメージング・スパイダーマン」は失う寂しさを伝える映画ではありません。
グウェンの死により、成長したスパイダーマンを描く必要があったのです。
グエンの死はスパイダーマンが成長することで意味を持ってきます。
大切な人の死と向き合い、受け止めて前に進む姿こそ映画で伝えたかったメッセージです。
大いなる力には大いなる責任が伴う
スパイダーマンの名セリフといえば「大いなる力には大いなる責任がともなう」という言葉です。
この言葉にたいして、ファンから様々な声が上がっています。
守れない約束もあるよね
前作の最後でピーターがいった下記のセリフはファンの中で賛否が大きく分かれました。
守れない約束もあるよね
引用:アメイジング・スパイダーマン/配給会社:コロンビア映画
女性ファンからは恋を選びとるピーターの姿がかっこいいという意見が多く挙げられました。
その一方で、責任がなさすぎる、グウェンの父親の遺言を破るなんてひどいなどピーターを批判する声も挙がっています。
ピーターが約束を守っていたらグウェンは生きていた
「アメイジング・スパイダーマン2」では、グウェンの父親との約束(グウェンを巻き込まない)を破るピーターの姿が描かれています。
浅はかなスパイダーマンの姿にグウェンを手放すのも、大いなる責任のひとつだったのではないかと思う人も多いようです。
確かにピーターが約束を守っていたら、グウェンを失うことはなかったでしょう。
しかし、この浅はかな行動こそグウェンの死へと続き、スパイダーマンの成長へとつながるのです。
スパイダーマンは劇中で「大いなる力には大いなる責任がともなう」の意味を心の底からかみしめることになるのです。
グウェンの死は大きなメッセージを残していた
「アメイジング・スパイダーマン2」の中のグウェンの死は、単なるインパクトではありません。
監督がこだわったのはその中に、誰しもが経験するであろう大切な人の死はしっかり受け止めて、乗り越えていかなければならないという強いメッセージが秘められていたからです。
興行的な理由で、続編が制作打ち切りになったのは残念としかいいようがありません。