もしロシアの任務をこなすのならば、当初の「Xデー」のシナリオ通りロシアの大統領を暗殺したでしょう。
しかし、ソルトはロシアの大統領を暗殺せず、暗殺するフリだけをしました。
つまり、ロシアの大統領暗殺未遂のとき、すでにソルトはアメリカ側だったのです。
暗殺するフリをしたのも、オルロフの信頼を確かなものにして夫マイクを救出するためでしょう。
ピーボディがソルトを逃がした理由は3つ
では、観る人によっては不可解に思える最後のシーン。
CIA防諜部のピーボディがソルトにカギを渡し、ヘリコプターからの逃亡を手助けしました。
なぜCIAが今作でのロシアのテロ行為の重要参考人、または首謀者と思われる人物のソルトを逃がしたのでしょうか。
それには理由が3つあります。
- ソルトはロシア大統領の暗殺もできたうえ、逃亡の邪魔をしたピーボディも射殺することができたのにしなかったこと
- オルロフの殺害現場にソルトの指紋があったこと
- 今回の一連の出来事からアメリカの内部にもロシアのスパイが多く紛れ込んでいること
1つ目の理由に関しては、教会を出たときから、ピーボディ自身が感じていたことでもありました。
2つ目は、ヘリコプターでソルトを尋問中にメールで知らされました。
そして3つ目は、アメリカやNATOに潜伏するロシアのスパイに対抗するためです。
そして、まだウインターの仲間が残っているということに対しての対抗策として、CIAはソルトを解放したのです。
ソルトの夫への愛や夫を奪われたことに対する復讐心はピーボディもわかってのことでした。
『ソルト』にはエンディングが3つある
さて、ここまで『ソルト』における二重スパイの複雑な動きや物語の不可解な部分について説明してきました。
しかし、実は今作にはエンディングが3つ用意されていることをご存じでしょうか。
1つ目は、ピーボディがソルトをヘリから逃がして、ソルトは湖から上がり雪原を走るシーンです。
しかし、それ以外にも2つエンディングがあるのでご紹介しましょう。
- 【ディレクターズカット版】1つ目のエンディングと同じシーンに、アメリカ新大統領がソルトの死を公表。テロの脅威は去ったという報道を行った、というテロップが流れる。
- 【ディレクターズカット版】ヘリでの尋問のシーンがない。ウインターが絶命後、大統領の話から今回の件の犯人がウインターであることが判明。しかしソルトは夫マイクの復讐を果たすため、アメリカを抜け出し、KAプログラムが進められていた宮殿に向かう。そこで生き延びていたオルロフを今度こそ殺害し、そして宮殿を爆破して復讐を終える。
1つ目のエンディングと2つ目のエンディングはほぼ同じです。
しかし、テロップで「ソルトは死んだことになり、捜索が打ち切られたこと」「ソルトが自由の身となったこと」が流れます。
3つ目のエンディングでは、ソルトが完全に復讐を果たすものとなっています。
いかがでしたか。物語が二転三転し、最後まで展開が読めない今作『ソルト』。