産まれてくる子に罪はないといいますが、その言葉は偽善的であり親の犯した罪は子供に跳ね返るのが現状です。

本作は、罪のない栄一が平兵衛の罪をかぶって自殺をするようにも観えます。

実際さだ子は栄一と平兵衛を重ね、憎しみが栄一に向いてしまっていたのでしょう。

栄一が悪くないと頭で理解していても、さだ子の心が憎しみにストップをかけれない状態だったのではないでしょうか。

本作では「憎しみ」というキーワードが大きく根を落としています。

悪人を生み出すものは、人の持つ憎しみという感情なのかもしれません。

子供を愛せない母親は実在する

『永遠の人』を観ると罪のない栄一をなぜ愛してあげないのか、とさだ子に反感を覚えます。

しかし、子供を愛せないというのはイコール悪人ではないのです。

実際に、心にストレスを抱えた母親が子供を愛せないというケースが少なくありません。

特に、自分の望まない妊娠をして産んだ子には愛を注げないケースが多いようです。

さだ子の場合は、特にその思いが強かったのではないでしょうか。

心の底では、栄一を愛したいと思いつつも愛を注ぐことが出来ない状態だったのかもしれません。

しかし息子を死へと向かわせた罪は大きいものです。

阿蘇の火口へと降りていく栄一の思いがどんなものだったのか……、さだ子に悪人という矛先が向けられるのも仕方のないことでしょう。

憎しみから生まれた悪

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さだ子は憎しみに捕らわれて生きていますが、憎しみがさだ子を本当の悪人にしたのでしょうか。

人は環境で変わるもの

元々のさだ子は純粋な優しい娘です。

その純粋さゆえに平兵衛の行為を許すことがでなかったのでしょう。

もしもさだ子が本当に悪人なら、財産を持った平兵衛に合わせて適当に人生を楽しめたはずです。

さだ子は憎しみという感情に捕らわれ過ぎて、周りを巻き込む不幸を呼び寄せてしまったのでしょう。

当然、平兵衛の行動がすべての始まりですが、負の連鎖を引き起こしたのはさだ子といえます。

根からの悪人は存在しません、人は環境で悪になっていくものです。

意図的でないにせよ、さだ子が憎しみにより周りを不幸にしていったという事実をみれば、さだ子は悪人といえるのかもしれません。

さだ子も負の連鎖を受けている

さだ子が平兵衛を許さない限り、守人もまたさだ子のことを許さない

引用:永遠の人/配給会社:松竹

次男の守人にさだ子が憎まれたのは、栄一の死が原因ですが元をたどれば平兵衛を憎み続けたことが原因です。