二人を含む外国人特派員たちはカンボジアのかつての宗主国フランスの大使館に避難しますが、クメール・ルージュの手は大使館にまで及びます。
パスポートがないプランは、仲間の特派員たちの応援もあり、ニセのパスポートを作ります。
しかし、自前で現像した証明写真が感光して消えてしまい、万事休す。
シャンバーグはアメリカに帰ることが出来たものの、プランはクメール・ルージュに捕らえられ集団農場へ送られてしまうのでした。
アメリカに帰ったシャンバーグ
大きな賞を獲ったものの
シャンバーグはニューヨークに帰ってからも、カンボジアの体験を記事にして告発を続けます。
これが評価され彼はジャーナリストとして最高の栄誉であるピューリッツァー賞を受賞します。
しかし、シャンバーグの心は重かったのです。
一人カンボジアに残して来てしまった戦友ともいうべきプランのことを深く心配していました。
シャンバーグは帰国後、プランの行方を必死に探してはいたのです。
が、仲間からは賞を獲りたいばかりにプランを置き去りにしてきたと指摘されてしまいます。
シャンバーグの、プランとの友情を裏切ってしまったという苦悩は深刻なものでした。
残ったプランが見た地獄
クメール・ルージュの狂気
華やかなスポットライトを浴びたシャンバーグとは対照的な運命がプランを待ち構えていました。
原始共産制をとり、文化や文明を徹底的に否定する思想は、プランのように外国語を話すいわゆる文化人へも抹殺の手を伸ばしていました。
彼は外国語が分からない無知な農民を装い、課せられた農作業に毎日でかけます。
その途中で見る光景は狂気そのもの。純粋な子供らは洗脳教育に簡単に染まり、マシンガンを抱えていとも簡単に人を殺していきます。
プランは水田に潜るように姿を隠し、農場を脱出します。
しかし田んぼを抜けたところで見た光景は、道の両側に累々と積まれた半ば白骨化した遺体の山でした。
クメール・ルージュは共産主義を容れない者はもちろん、文化人やちょっとしたミスをした人間まで、単に気に入らない行動をしたことを理由に自国民を殺しまくったのです。
プランはまさに地獄の中を歩き、九死に一生を得ることが出来ました。
映画の後半を占めるプランのクメール・ルージュからの脱出と地獄絵図はこの映画のハイライトといえます。
目を背けたくなるよう光景ですが、これがリアルなカンボジアの実態だったのです。
クメール・ルージュの狂気の実態だったのです。
強烈な映像と巧みな編集はオスカーを受賞していますが、映画の後半においてその実力が遺憾なく発揮されていると指摘できるでしょう。
撮影を担当したのは「マイケル・コリンズ」「愛を読むひと」「ものすごくうるさくて、ありえないほど近い」などで知られる名手、クリス・メンゲスです。
彼のキャメラの技は作品冒頭から光っています。
劇的な再会
地獄からの脱出
地獄のカンボジアから隣国タイのキャンプに到着出来たプラン。このニュースを手に入れたシャンバーグ記者は急遽タイのキャンプに飛びます。
そして二人は再会を果たします。