南田を殺害した際、由紀の視界にはどのような世界が広がっていたのでしょうか。
人魚の像に掘られた言葉について
作中に登場する人魚の像には、以下のような内容が彫られています。
鏡を覗きたる 狗は神へと転じたり 生者は悪へと転じたり。
変わらぬ者こそは 果て無き命を授かりし この世の理越ゆる者。
出典元:https://ja.wikipedia.org/wiki/サイレン_〜FORBIDDEN_SIREN〜
この言葉が、作中にちりばめられた謎を解く上で、大きなヒントとなっているのです。
「鏡」という言葉がカギ
人魚に掘られた唄の中で注目してほしいのが、「鏡」という言葉です。
「鏡」には反転させる、逆にするというような意味合いがあります。
今作では、ところどころで「鏡」を意識した表現が登場するのです。
真一の死亡シーンがヒント
真一の死亡シーンでは壁にかかれた文字が印象的です。
その中に、「DOG」「LIVE」というような英単語が混ざっています。
先ほど述べた「鏡」という言葉をカギに、英単語を逆から読んでみましょう。
すると、「DOG」は「GOD」に、「LIVE」は「EVIL」となります。
さて、ここで先ほど紹介した人魚の像に掘られた言葉を思い出してみましょう。
鏡を覗きたる 狗は神へと転じたり 生者は悪へと転じたり。
出典元:https://ja.wikipedia.org/wiki/サイレン_〜FORBIDDEN_SIREN〜
そう、英単語を逆にすることで、「狗」(犬)は「神」に、「生」は「悪」に変換されるのです。
ここで気になるのが、唄と共に人魚の像に掘られていた「REVIVER」という英単語です。
「REVIVER」には復活させる人という意味があります。
「REVIVER」が逆から読んでも変化がない単語であり、唄でいう変わらぬ者です。
先述の人魚伝説では、人魚が自らの血によって病を患った人々を癒したとあります。
つまり、「REVIVER」とは人魚のことを指しているのでしょう。
以上より、変わらぬ者である人魚は、果てない命を持つ、世の理を超えた存在であるということが分かります。
ここからも、本作におけるサイレンが、今も生き続ける人魚の呪いであるというように解釈することができますね。
ストーリーに視る「鏡」
まず挙げられるのが、ストーリー展開についてです。
「サイレン」では、登場人物の視点を上手く使って、「鏡」の要素を再現しています。
前半では由貴の視点で進む
前半は作中の主人公である由貴の視点で進んでいきます。
サイレンが聞こえる由貴からの視点では、死んでいるはずの英夫が見えており、サイレンの音と共に異常が発生するような世界が描かれていますね。
妄想と現実が入り交じり、何が本当で何が幻覚なのか、視聴者側も分からない世界観が展開されます。
後半は反転して周りの人々の視点になる
しかし、後半では由貴の周りの人物から由貴を見た視点に切り替わり、英夫が半年前に死んでいること、本当はサイレンが鳴っていないことなどが語られていきます。
上記のような視点の変化からも、「鏡」に対する意識を感じることができますね。
登場人物の名前に隠された秘密
鏡に映すと…
登場人物の名前にも、「鏡」の要素があります。