出典:https://www.amazon.co.jp/dp/B074MR1Q1W/?tag=cinema-notes-22

『無限の住人』は、2017年に公開された主演木村拓哉をはじめとする豪華なメンバーで制作されたアクション映画です。

キャッチコピーは「1人対300人。”ぶった斬り”エンタテインメント」。

まさしくキャッチコピーをあらわすような1対多数の迫力ある戦闘シーン。

そして、様々な剣客と死闘を繰り広げるシーンは本作の見どころです。

一方で『無限の住人』は、「万次と凜の絆の変化」や「善悪」についても描いていたことにお気づきでしょうか。

今回は『無限の住人』を本サイト独自の視点で解説していきます。

物語で描かれる善悪

なぜ万次は凜の依頼を断ろうとしたのか

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なぜ万次は凜の依頼を断ろうとしたのでしょうか。

一般的な善悪の基準で考えるならば、若くして両親を殺された凜を守ることは正義といえます。

凜も天津がいかに悪なのかを万次に訴えますが、その時に万次が凜に返した言葉が以下のものです。

お前の中ではその天津っていうのが悪で、お前が善ってわけか

人間ってのは便利な生き物だよな

引用:無限の住人/配給:ワーナー・ブラザース

凜が善で、天津が悪だと、簡単に分けられないということを万次は言います。

まさしく不死身となり、人の生き死にや戦いを無数にみた万次ならではの言葉です。

万次は「善悪」は立場によって変わるということを凜に伝えようとしたのです。

万次にとっての善悪とは

万次は、たいていの人間にはその立場があり、立場によって善悪が異なることを知っていました。

では、万次にとっての善悪はどのようなものなのでしょうか。

万次の善悪の基準は「万次の主観」です。

立場によって変わる善悪を知っている万次だからこそ、自分が善と決めたものは善。

そして自分が悪と決めたものは悪として対処します。

なぜ万次が善悪を自らの主観で見定めることにしたのか。

万次も過去は、一般的な善悪の価値観をもっていました。

けれどもその価値観で、万次が仕えていた旗本の不正を暴いた結果、妹を苦しめることになったのです。

ここから万次は善悪に一般的な基準などないことを悟りました。

天津にとっての善悪とは

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凜にとっては完全な悪である天津にも、善悪の基準がありました。

そして天津にとっての善とは「流派を統一すること」です。

いつかくる乱世に備え、流派を統一することの必要性を天津は信じていました。

そのためには江戸にある流派を傘下にいれる、または潰すことは、正義だと考えたのです。

天津は正義のために凜の両親を殺害したと考えています。

万次と対になる存在の尸良

尸良の善悪の基準も、万次と同じく「主観」でした。

天津のように大義を抱えているわけではなく、ひたすら己の力をもって享楽的に生きる。

そんな尸良は、金のために天津を狙い、天津の影武者の女を凌辱しようとしました。

尸良も己の主観で動く人間でしたが、凜を守るために戦う万次とは対極的な存在です。

尸良は、本作で万次の最大の敵とされる天津とはまた別の存在だったのです。

万次が行動するのは凜の善悪を超えた思いを受けたとき

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万次が凜のために決意し、そして行動したシーンは劇中に2回ありました。

1回目は「用心棒の依頼を受けたとき」、2回目は「300人を相手に誰を斬るか聞いたとき」です。

そして、その2回に共通することは「凜の心からの思いを受けた」です。

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