注目キーワード
  1. 映画
  2. シネマ
  3. 洋画
  4. 邦画

【ゴーン・ガール(ネタバレ)】タイトルの真の意味を徹底考察!結婚って何なの?4つのボードゲームと「結婚」の共通点を探る

出典元:https://www.amazon.co.jp/dp/B00U0U5TBU/cinema-notes-22

「ゴーン・ガール」はデヴィッド・フィンチャー監督の2014年の大ヒット作です。

主人公のダン夫妻が、妻エイミーの失踪という事件に巻き込まれ、いかに乗り越えていくのか、を描いています。

ここでは「結婚」という言葉の裏に秘められたダン夫妻の関係性に絞って観ていきます。

そして劇中に一瞬登場するボードゲームにも本作を読み解く意外なヒントが隠されています。それについても、言及していきます。

タイトルの真の意味を徹底考察!

「ミラクル・エイミー」は居なくなったのか?

本作のタイトル「ゴーン・ガール」の「ゴーン」というのは英語の“Go”の過去分詞で”Gone”のことです。

意味は「行ってしまった」です。

・ニック・ダン(ベン・アフレック)の場合

出会った時のエイミー・エリオット・ダン(ロザムンド・パイク)は居なくなってしまった、となるのでしょうか?

・エイミーの場合

幼い頃の自分がモデルの児童文学「ミラクル・エイミー」の頃の聡明な少女時代のことを暗示しているのでしょうか?

確かに彼女は、ニックの元に戻ってきました。ミラクルを超える、とてつもないやり方で。

結婚って何?

騙し合い?妥協の産物?

自ら失踪から自宅に戻ったエイミーの対外的な言動は、「ニックを一瞬でも手離したくない!」という感情に溢れているように見えました。

一つの恋愛や結婚、男女の関係を瞬時に判断する能力がエイミーは、常人では計り知れないぐらいあるように見えます。

例えば、明日起きてすぐに夫との関係が終わる、と考えた2秒後にその人の脳裏に浮かんだ物事は通常ならある程度特定できます

エイミーの場合、帰着点が絞り込めません。お金や家、資産のような単なる物欲ではなかったのです。

あくまでも自分に黙って付き従う下僕的な存在のように感じられます。彼女にとっては究極の愛情表現の形なのかもしれませんが…。

高リスク過ぎるエイミーのアピール方法

エイミーはサイコパスか?

彼女がモデルになった児童文学の中では、主人公の女の子は何でもこなしてしまう「ミラクルエイミー」という触れ込みでした。

エイミーが語ったところでは、ミラクルエイミーとは彼女自身の理想の姿そのものだったようです。

彼女はハーバード大を出て、それまでの人生を思い通りに生きてきたように感じられます。

しかしニックはマスコミに叩かれ、警察に疑われ、浮気などの秘密も全て暴かれてしまいました。

その全ては彼女の失踪と、両親が早い段階で公開捜査に踏み切ったのが原因でした。

最後には、エイミーが奇跡的に帰宅し、ニックは彼女の元に帰らざるを得なくなるというストーリー!

一番背筋が寒く感じるのは、何もかも彼女の自作自演であったという点に尽きます。怖過ぎです。

エイミーは倫理観が破綻しているのか?

自分にとって都合がいいことは、あらゆる手段を講じマスコミや弁護士、警察の刑事まで手玉にとり、実現してしまいます。

唯一エイミーに一矢報いたのは、逃亡先で彼女に近づき、逃走資金を奪って逃げたカップルだけでした。

常識や良心の呵責などの概念が欠落している?

エイミーの元彼デジー・コリングス(ニール・パトリック)は、彼女の異常性を断片的に体験していました。

兄ニックが非難されるのを見かねた妹マーゴ・ダン(キャリー・クーン)は弁護士タナー・ボルト(タイラー・ペリー)を雇いました。

タナーは、夫婦間トラブルで夫が妻を殺害したケース専門の弁護士でした。

彼はニックが依頼に来たその場で、既にエイミーの元彼2人を特定していました。タナーはニックを救うべく反撃に出ます

ニックは元彼の1人デジーの連絡先を教わり、エイミーと付き合っていた時の話を訊きに出向きます。

デジーはニックも体験した、エイミーの異常な束縛ぶりをニックに打ち明けます。

後半に登場する彼女の元彼でクラスメイトだったトミー・オハラ(スクート・マクネイリー)は接近禁止令を既に出されていました。

後半はエイミーがニックの元に帰るための道具のように利用された結果、惨殺されました。

ボードゲーム4種とストーリーとの関連

一寸先は闇?

本作には瞬間的に、4種類のボードゲームが登場します。実は本作のストーリーを読み解くヒントが隠されているのです。

  1. マスターマインド/ニックがThe Bar にお土産として持参。
  2. 人生ゲーム/ニックがThe Bar で妹と2人で酒を呑みながらプレイ。
  3. ドミニオン
  4. レース・フォー・ザ・ギャラクシー

3と4はエイミーが、夫のニックの無駄遣いをアピールすべくカードで11万ドル分購入した品を隠した物置で、一番目立つ位置にありました。

ストーリーとの関連性は?

1.は、出題者の並べる4本のピンの配置を、回答者が予想するゲームで、配置を完全に正解するまでの回数を競うゲーム。

エイミーが出題者でニックが回答者であるとしたら、エイミーの失踪場所のヒントの出し方が、このゲームに通じる点がありました。

2.は日本でもお馴染み。ルーレットの数で人生の道のりが、大まかに決められ、その後の人生も進められていくというゲーム。

ニックと妹が軽く呑みながら、気楽に話しつつ愉しんでいましたが、これは、2人のそれまでの人生の暗喩として登場したように思えます。

後半の2つは、エイミーがニックの対外的なイメージを作為的に考慮して選ばれています。

⒊は領土取りゲーム。⒋も自分の国家を構築し宇宙空間にまで拡張していくというゲーム。

エイミーがニックに、いかにも征服欲や支配欲がありそうな男、というイメージを植え付けようと、意図して購入したように思えます。

ボードゲームで作者が意図したかったことは?

セオリーに沿っていけば平穏無事にゴールできる。しかし…道を外れたくなった時は、ゲームを強制終了するしかない

結婚生活はゲームのようにリセットすることができない

というストーリーのテーマの暗示のように感じられました。

更に、人生は喜怒哀楽何事も起こり得ないことはない、とエイミーの失踪から帰宅までを描くことで提示したかったのではないでしょうか?

エイミーとニックの今後は?

支配欲求>愛情???


ニックは保釈されて帰宅…と誰もが思った矢先、表面上は「奇跡」とまで注目を浴び、2人は揃って一つ屋根の下に戻る羽目になります。

日本でもこの手の劇場型犯罪の当事者は、次の残酷な事件が起きるまでは格好のマスコミの餌食になってしまいます。

序盤の出逢ったばかりのニックとエイミーの2人の会話の噛み合い方を見る限り、ありふれた恋愛の始まりと変わりありませんでした。

エイミーがニックの元に戻った最大の動機は、夫婦の愛情がエスカレートした彼女がニックに対する異常な支配欲求を満たすためのように感じられました。

受け手それぞれの人生経験によって、そのストーリーやテーマに共感できることもあれば、そうでないこともあるのが映画の醍醐味です。

本作は、ある意味極端に振り切れた愛の価値観を提示して、受け手にとっての愛情や信頼の定義を問うストーリーになっています。

原作と影響を受けた作品

脚本家が手がけた小説と「僕のヤバイ妻」

原作は2012年のギリアン・フリンの小説です。彼は本作の脚本も担当しています。ストーリーは全く同じではないと語っています。

また2018年に日本で放送されたドラマ「僕のヤバイ妻」は日本版「ゴーン・ガール」といえそうなストーリー展開でした。

  • ストーリーの語り手が夫婦でシンメトリーになっていること
  • 妻が夫に異常に執着していること
  • 妻が夫に振り向いて貰うためなら、手段を選ばないこと

デビット・フィンチャーやギリアン・フリンがこのドラマを観て、どんな感想を持つか機会があれば、訊いてみたいものです。

日本人向けになっている箇所を興味深く明確に語ってくれるかもしれません。

本作を観て、同系統のストーリーを、もっと観たい人は必見でしょう。

また逆にドラマを観て、本作を未見の人は、オリジナルを遡って観る感覚になるかもしれません。