証拠隠滅のために燃やすのが手っ取り早いのかもしれませんが、エスターの場合はどうも火に執着しているように思えます。
放火魔にはサイコパスが多い
エスターにはサイコパスの異常性が見てとれます。
サイコパスには火を見ると興奮するという特徴があるのだそうで、放火犯の中にはサイコパスが多く存在します。
やはりエスターも、火が燃え上がる様子を見て楽しんでいたのかもしれません。
サイコパス
エスターは人を殺すことに罪悪感を持っていないようで、わかっているだけで7人を殺害しています。
実際の年齢が33歳だったとしてもエスターの行動は異常ですし、成長ホルモン分泌不全性低身長症が原因でもありません。
作品中にみるサイコパス性
冷酷さと残忍さを持ち合わせているサイコパスのエスターが、サイコパスらしさを露見させるシーンは随所にみられます。
サイコパスが殺人を犯したり人を操ることは、世間に比較的知れ渡っているのではないでしょうか。
他にも特徴として「絵が上手」という点が挙げられます。
エスターの描いた絵もなかなか印象深いものでした。
絵にブラックライトを当てると、炎や血などが浮かび上がる細工がされていました。
先程も説明したように、ここにもサイコパスが好む「火」が隠されているのです。
サイコパスならではの知能の高さゆえに、このような細工を施しているというヒントを投げかけています。
しかし最近では、サイコパスの知能は平均より低い可能性があるとの研究結果が出ました。
これにより今後のサイコパスのイメージも変わるかもしれません。
エスターの願望
エスターの見た目は9歳ですが、中身は33歳の大人の女性です。異性に目が行くのは当然でしょう。
欲しかったものは愛
愛といっても家族愛や人間愛ではありません。エスターが欲しかったのは、ただ1つ。男性からの愛でした。
ですから彼女が里親家族を殺害するときは、幸せな家庭をぶち壊そうと思っているのではなく、男性からの愛を欲しているのです。
サイコパスは愛情というものを理解できないので、正確にいうと男性に依存する形になります。
このことは、彼女が元里親の男性の写真を聖書に挟んでいたことからも垣間見ることができるのです。
どれだけ愛しても、大人の女性として扱われないことへの不満や怒りが、エスターを凶悪化させていきました。
病気だから仕方ないと割り切れるわけがありません。本当ならば、恋愛を楽しんでいる年頃なのですから。
もう1つの結末
DVDの特典映像に、別の結末を描いた映像が入っているのをご存知ですか?
本来のラストシーンでは、エスターが首を折られて池に沈んで死にます。
しかし、特典映像ではエスターは生きているのです。
返り血まみれの顔で階段から降りてくるエスターが、取り囲む警官たちに自己紹介するという異様な終わり方をしていました。
このシーンを観た人は、ある映画との類似に驚いたはずです。
アカデミー賞11部門にノミネートされた傑作映画「サンセット大通り」のラストシーンにソックリなのですから。