それぞれの人物の人間味を感じ取ることが出来る脚色です。
最後の襲撃の前日、戦闘員たちはこれまでの人生を振り返りながら語り合います。
人はいい事を信じて生きて行くものだ
人間の素晴らしさを
人間の持つ勇気と誠実と愛を信じたい
引用:アラモ/配給会社:日本ユナイテッド・アーチスツ
いつ命を落としてもおかしくない状況の中、自らの生き様を肯定するかのように語らう戦闘員たち。
何故戦うのか、その理由が込められた台詞が沢山登場し、物語に共感を与えています。
脚色が無ければ、最後の決戦を前にした戦闘員たちの心境は描かれなかったかもしれません。
こうした史実では描かれない人物たちの思いが描かれている点も、本作の大きな魅力です。
西部劇のスター、ジョン・ウェイン
西部劇を観たことがあるひとなら、ジョン・ウェインという名前を一度は目にしたことがあるのではないでしょうか。
それもそのはず、下記のようなデータがあります。
生涯出演した154本もの映画のうち、79本は西部劇であった。
引用:https://ja.wikipedia.org/wiki/ジョン・ウェイン
西部劇に多数出演することで後に監督を担当したりと、作品制作にも携わっていきました。
本作では、主演・監督・制作という作品制作の大部分を担っています。
しかし、当初は出演の予定はありませんでした。
出演することになった理由は以下のようにいわれています。
出演しない場合(中略)利益を保証しうるものではなく、撮影予算の支援は得られなかった。
引用:https://ja.wikipedia.org/wiki/アラモ_(1960年の映画)
上記の理由からもジョン・ウェインの、特に西部劇におけるスター性が垣間見えます。
ジョン・ウェインが出演していなければ、西部劇の神様によるアラモの戦いは描かれなかったかもしれません。
ジョン・ウェインという人物の持つスター性が本作を世に送り出したといえるでしょう。
ジョン・ウェインが込めた正義と自由への思い
本作は正義と自由への思いが込められた映画だといえます。
実際の出来事を題材にしていることもあり、その切実さが伝わってくる作品です。
サンタ・アナの独裁下にあるメキシコからの独立を願うテキサスの姿勢は、監督であるジョン・ウェイン自身の姿勢でもあると考えられます。
共和国の設立を願い、自由を渇望する思いが映画の中で様々な人物の口から語られているからです。
中でも、ジョン・ウェイン演じるクロケットは、度々正義と自由について語っています。
その中でも、共和国に言及する場面からは特に強い思いが感じ取れました。
共和国 この響きがいい
自由に暮らし 話せる国だ
(中略)
自分の子が歩き出すときと同じだ息子が初めてヒゲをそる時と
胸が熱くなる言葉
それが共和国だ
引用:アラモ/配給会社:日本ユナイテッド・アーチスツ
その後独立戦争に勝利するテキサスを支えたアラモの戦い。
それは、自由と正義を勝ち取るための戦いでした。
そしてその自由と正義は、西部劇の王道ともいえる戦いの理由です。