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2007年製作の本作『パラノーマル・アクティビティ』は何よりも話題性にあふれた映画です。
撮影日数わずか7日。場所は監督の自宅のみ。キャストは無名俳優。制作費は日本円でわずか150万円ほど。
そんなホラー映画が最終的に190億円を越す特大ヒットを記録したのです。
また、かのスピルバーグ監督が大絶賛した作品としても知られています。
しかし、実際この映画は数万円でできるホームムービーのようです。そんなものがなぜ世界的なヒットを果たしたのでしょうか。
また、衝撃のラストを観てケイティの正体って一体何?と思った人もいるでしょう。
そしてこの映画には日本版のDVDでは観れないオリジナルの結末もあります。そういったことを解説してゆきましょう。
オリジナル版とDVD版の結末の違い
『パラノーマル・アクティビティ』には主に3つのエンディングがあります。どのエンディングがベストなのでしょうか。
リアリティ重視のオリジナル版
オリジナル版のエンディングは、日本発売のDVDでは観ることができません。概要はこうです。
撮影カメラはミカが寝室に置いた固定カメラのみ。ケイティとミカのカップルは寝室で就寝中。
そのうち寝室に侵入した悪魔にとりつかれたケイティがフラフラと1階に降りて叫び声を上げる。
驚いたボーイフレンドのミカが1階に降りた後、下で2人の争うような声が寝室に聞こえてくる。
ここまでは以下に書く2つのエンディングと同じで、ここからが異なります。
血まみれのナイフ片手に寝室に1人で戻ってきたケイティは何日かそこで過ごす。連絡が取れないことで彼女の友人が訪れ、ミカの死体を発見。
友人の通報で警官が家を訪れケイティと対峙。ナイフを離さなかったことから警官は彼女を射殺する。
その後、警官が家宅捜索するシーンで映画はジ・エンドとなります。
このオリジナル版のエンディングはリアリズムを重視したといえるでしょう。最後まで本当に起きたことだと鑑賞者に訴える終わり方です。
本作は「ファウンド・フッテージ」といって、死者や行方不明者が残した映像記録という体を取っています。
この終わり方はそれにより忠実なものだともいえるでしょう。
スタジオ・エンディング(日本のDVD特典映像)
アメリカではスタジオ・エンディングと呼ばれるものが日本ではDVDの特典映像として観れます。
ケイティが1人ナイフを持って寝室に戻ってくるまではオリジナルと同じ。
その後、彼女はミカが寝室に置いたカメラに向かって首をかき切り、血しぶきをあげて倒れる。そこでジ・エンドです。
このエンディングは最もダメなものでしょう。ホラー映画はショックを与えるだけの衝撃映像集ではありません。
この終わり方には、ただ鑑賞者をビックリさせようとする悪意しか感じられません。
スピルバーグが提案した劇場版(日本のDVD正規版)
劇場公開版・日本発売のDVDの正規版のエンディングはこうです。
ケイティとミカが1階で争うような声が寝室に響く。まもなく寝室のドアからミカが吹き飛ばされてきて固定カメラに激突する。
血まみれのケイティが寝室に入ってきてカメラ目線で微笑む。そしてカメラを壊そうとしたところでフェイドアウトする。
これはこの映画を気に入ったスピルバーグ監督が提案したものだといわれています。そして、これこそベストだと思った人は多いでしょう。