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1995年に公開された映画「マディソン郡の橋」は誰でも1度は耳にしたことがあるくらい有名な恋愛映画です。
不倫をテーマにしたこの作品の中で、フランチェスカは許されない恋によってどのように変化していったのでしょうか。
そしてロバートとの交流を通して、フランチェスカが見つけた家族の食卓に足りない「あるモノ」とは?
たった4日間の激しい恋。別れとともにその新鮮さは色あせてしまったのかについても解説していきます。
一緒にクリント・イーストウッド監督の意図を読み解いていきましょう。
フランチェスカの変化
恋をすると女性は変わります。それはフランチェスカも同様でした。
女としての顔
ロバートと出会った翌日、フランチェスカはアクセサリーで着飾りドレスアップ。
結婚してからずっとこの様なオシャレとは無縁だったのでしょう。
妻として母として生きてきた彼女に女性としての輝きが取り戻されたことが見て取れます。
愛に生きた日々
食堂で不倫女性がひどい目にあっていたことを伝え、フランチェスカを心配するロバート。
しかしフランチェスカはそんな危険さえも厭わず、愛に生きる女性へと変わっていました。
家族の世話に追われて自分の人生を生きている実感がなかった彼女に、こんなにも激しい愛が眠っていたなんて驚きです。
そして一線を超えたフランチェスカは、夫にも見せていない真実の自分を発見することになるのです。
家族の食卓に足りないもの
元教師で教養があるフランチェスカとアイオワ州の片田舎に住む人々には教養の差があり、それは彼女の家族も例外ではありません。
食事のお祈りもまともにせず、出された料理を黙々と食べる家族に半ば嫌気がさしていたフランチェスカ。
大きな不満は無いけれど、このような小さな不満が彼女の中でどんどん膨らんでいました。
ロバートとの新鮮なひと時
ロバートとの夕食では長いこと感じていなかった幸福感が彼女を包み込みました。
彼との会話は彼女に新鮮な気持ちを呼び覚ましてくれたのです。彼といる時間はあっという間に過ぎました。
本を読みふけり文学少女として楽しい時を過ごしてきた若かりし日を、彼との会話で思い出したのです。
こんなことは教養のない家族とはできません。
4日間という短い間に激しい恋に落ちたのは、遠い日に置いてきた輝いていた頃の自分を彼の中に見たからではないでしょうか。
閉ざされた社会
この町で不倫をしたルーシーは、住民たちに無視されたり横柄な態度をとられたりしていました。