出典元:https://www.amazon.co.jp/dp/B01L2NP6WA/?tag=cinema-notes-22
2016年に公開された、web漫画を原作とする『ドクムシ』。
監督は『クソすばらしいこの世界』で監督・脚本をつとめ脚光を浴びた朝倉加葉子氏です。
本作では、突然密室空間に閉じ込められた若者の極限の心理状態、はりつめた緊張感が生々しく描かれています。
なぜあの7人が選ばれたのか、「7」という数字の意味、そしてレイジが生き残った理由を今回は考察します。
7人が選ばれた理由とは
ラストで7人が緊急避難所に退避させられただけで、偶然集まった人たちだとわかりました。
しかし本当にそうなのでしょうか。
ここでは、7人が選ばれた理由や「7」という数字が何を示すのか解説していきます。
「7」は罪の数を表している
「7」という数字や、本作のダークな世界観で「七つの大罪」を思い浮かべた人もいるのではないのでしょうか。
七つの大罪とは、キリスト教における教えの一つです。
七つの大罪は、「憤怒」「嫉妬」「暴食」「強欲」「傲慢」「色欲」です。
ラテン語や英語での意味は「七つの死に至る罪」だが、「罪」そのものというよりは、人間を罪に導く可能性があると見做されてきた欲望や感情のことを指すもの
引用元:https://ja.wikipedia.org/wiki/七つの大罪
レイジを除く、6人の死因と罪は、実はリンクしていたのです。
- トシオ「憤怒」
- ユミ「嫉妬」
- タイチ「暴食」
- ミチカ「強欲」
- ユキトシ「傲慢」
- アカネ「色欲」
- レイジ「怠惰」
レイジは死んだ訳ではありませんが、最後まで行動を起こそうとしませんでした。
そのため、レイジには「怠惰」の罪が当てはまります。
つまり、7人が選ばれた理由は七つの大罪の罪にあたる過去や要因を持っていること。
そして「7」という数字は七つの大罪を表していたのです。
「七つの大罪」は様々な物語で使われている
「七つの大罪」はハリウッド映画や日本のマンガなど様々な作品に登場します。
ハリウッド映画で代表的なものといえば『セブン』。
日本のマンガでいうと『七つの大罪』や『鋼の錬金術師』。
「七つの大罪」を題材や素材に使うことで、人間の負の側面をよりリアルに描くことができます。
本作でも密室空間に閉じ込められた男女が、「七つの大罪」に沿って破滅に陥る様が描かれています。
なぜレイジが生き残ることができたのか
最後まで人間不信と闘ったレイジ
レイジは最後まで、ユキトシの蟲毒の話を信じず、殺し合いを否定しました。
結果、レイジのみが生き残ることができたのです。
本作では、人を心理的に追い詰める様々な要因が見受けられました。
突然見知らぬ場所に連れてこられたこと、包丁や時間を示すものがあること、食料がないこと、蟲毒の話が出たこと。
これらの要因と登場人物たちのバックグラウンドにより、殺し合いが起きてしまったのです。
そんな異常な環境のなか、最後まで人間不信と闘ったのがレイジであり、唯一の生き残りとなりました。
レイジが警察の説明を受け入れられなかった理由
レイジは生き残りましたが、最終的に精神を病みました。