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【ショーシャンクの空に】ただのヒューマンドラマで終わらないこの作品の闇の深さを徹底解説!刑務所で交錯する希望と絶望とは

そこから抜け出せる仮釈放や釈放は本来喜ばしいもののはずですが、50年の刑期を過ごしたブルックスは仮釈放を恐れ、最終的には外の世界で死を選びました

そして更生して社会に出られる能力や倫理観を身につける施設であるはずの刑務所をレッドは「人を廃人にする場所」だといいます。

刑務所の中で過ごしている期間は確かに自由はなく、監視されていますがそこには囚人たちの人生に影を落としてきた存在はありません。

貧困の差や、社会的格差は刑務所内には存在しません。

長くいれば仲間もでき、それなりに信頼される立場になったりします。

外の世界のように自分にはどうしようもない社会的立場のことで窮地に陥ることもありません。食事は支給されますし、寝る場所に困ることもないでしょう。

ブルックスとレッドが象徴するのは

数年ならともかく、人生の半分以上、場合によっては人生のほとんどを刑務所で過ごしてきたブルックスやレッドのような人間にとってはもう刑務所が生きていく場所になってしまっているのです。

そこでなければ生きられない存在に。

本当はそんな存在はありえないはずです。刑務所はそこから出ることを前提にすべてのカリキュラムが組まれているのですから。

ですが刑務所内でしか生きられない彼らは、”人”が”人”として生きられる外の世界では暮らせない

だからレッドは「廃人にする場所」と深い絶望を込めて言うのです。自分が廃人になってしまっていることを絶望の底で悟りながら。

ブルックスも自分が外では生きていけないことを知っていました。望んでいない仮釈放は彼を死に追いやる結果を招きます。

誰も自分のことを知る人がおらず孤独を抱き、冷たい世間の目にやはり絶望を感じながら。

刑の在り方、刑務所の在り方、そして罪を償った人に対する社会の在り方、それらの闇の深さが「存在してはならない”存在”」、刑務所でしか生きていけないブルックスやレッドに象徴されているのです。

終わりに

レッドが抱えた闇と絶望はブルックスと同じ末路に向けて歩みを進めていましたが、押しとどめたのはアンディの存在でした。

この映画ではアンディの持つ希望、その希望の集大成として脱走が成功する部分にカタルシスが得られます。

ですがこのレッドの仮釈放後のアンディとの再会のシーンにこそ実は最大のカタルシスがあるのではないでしょうか。

外の世界に押しつぶされそうになったレッドを救ったのは希望を持って生きてきたアンディ、そしてそのアンディとレッドは刑務所内で簡単には切れない絆を作り上げていたのです。

おそらくはレッドには自覚のないままに。

ラストシーンでのレッドの姿

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このラストシーンではレッドはレッドのいう”廃人”ではありません。誰かのことを信じることができた、そしてその絆をつないだ人がいる世界で生きていく未来を感じさせます。

アンディとの関わりを通じてレッドの中にもたらされた変化が何度も却下された仮釈放審査を通過させ、すんでのところでブルックスとは違う運命を選んだのです。

最後にその救いの部分を用意しているからこそこの映画がより輝き、その輝きがさらに闇を濃く映し出し、これほど人の心を揺さぶる作品として語り継がれる存在になっていったのです。