「ミュウツーの逆襲」がポケモン史上最大のヒットを記録した理由。
それは、ポケモンという物語の根幹を揺るがすテーマを含んでいたからです。
サトシはポケモンマスターになる夢をもち、日々ポケモンバトルに励んでいます。
しかし「ミュウツーの逆襲」では、サトシはポケモンとコピーポケモンの戦いを止めに入ります。
このサトシの行動は明らかに矛盾しているといえるでしょう。
ではどちらの行動が正しいのでしょうか。
結論からいうと、どちらも正しいのです。
ポケモンの世界では、ポケモンとトレーナーが絆を深めながら共に成長していく一環として、ポケモンバトルがあります。
そのためポケモンに酷い扱いをするトレーナーは、ポケモンの世界でも認められません。
一方「ミュウツーの逆襲」で、サトシがポケモンの戦いを止めたのは、その戦いが「存在の証明」だったからです。
オリジナルこそ生きる価値があるのか。強い方にこそ生きる価値があるのか。
オリジナルのポケモンが勝っても、コピーポケモンが勝っても、どちらかの存在価値が失われる。
どんなポケモンにも価値があると信じていたからこそ、サトシは日頃と矛盾する行動をとれたのです。
サトシだからこそ止められた
サトシは何か考えが思い付くというより、本能的に戦いを止めに入りました。
ポケモン同士の戦いを止める行動が、日頃自分が行っている行動と正反対であるとも考えずに、です。
これはサトシという子ども、成長している存在だからこその行動といえます。
大人のように自身の行動の一貫性など考えず、心が感じるままに行動する。
そんなサトシの打算のない行動が、悪い人間の思惑によって生まれたミュウツーに響いたのです。
ポケモン城はあの世界遺産をモデルに
「ミュウツーの逆襲」で、ポケモンとコピーポケモンが戦った城。
本作で3DCGにすることで、より緻密に描かれた美しい城ですが、あの城にモデルがあることはご存知でしょうか。
そのモデルとは、スペイン・バルセロナにある世界遺産の「サグラダ・ファミリア」です。
アントニ・ガウディによって、約140年前から建設が始まった教会ですが、今なお建設途中です。
世界でも屈指の観光地であり、美しい外観と内観を誇るサグラダ・ファミリア。
本作に登場するポケモン城の外観も内観も、サグラダ・ファミリアを参考にしているのです。
ポケモンの原点であり、至高の作品と名高い第1作目をリメイクした本作『ミュウツーの逆襲 EVOLUTION』。
新たな映像技術を駆使して進化した作品は、ファンを魅了する仕上がりになりました。