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【ティファニーで朝食を】夢に生きる女性の光と影を徹底考察!ホリーと猫の共通点は?ポールとホリーはなぜ惹かれ合ったの?

出典元:https://www.amazon.co.jp/dp/B07NVJ7JQR/cinema-notes-22

「ローマの休日」で銀幕界にセンセーションを起こした永遠の世界のアイドル、オードリー・ヘプバーン

彼女の女優人生の中押しとなったのが本作「ティファニーで朝食を」でした。

本作をきっかけとしてオードリーは更に個性豊かなキャラクターを演じるようになっていったのです。

朝まだき、NY五番街のティファニー本店でウィンドウを見ながらコーヒーとデニッシュを手にするホリー。

バックに流れるのは名匠ヘンリー・マンシーニの「ムーンリバー」というファーストシーンは映画史に残る名シーンといえましょう。

映画自体もいつの時代にも愛されるエバーグリーンな作品に位置づけられています。

トルーマン・カポーティの原作を映画化した本作はヘプバーンの愛らしさが際立つお洒落なラブストーリー。

しかし、カポーティの描いた実際の世界は映画とは異なりました。

原作はホリーの「掴みどころのない女性像」など精神性が深く追求された作品だったのです。

ここでは映画の中でホリー・ゴライトリーという夢に生きた女性の光と影を中心に考察していきます。

また作品中重要な役目を果たす猫とホリーとの関係も考えてみましょう。

映画にはカポーティ的暗喩なども埋め込まれてはいますが、原作との違いなども考えていきたいと思います。

さらに、ホリーとポールはなぜ惹かれ合ったのか、についてもみていくことにしましょう。

ホリー・ゴライトリーという女性が放つ光と影

ホリーの夢

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ホリーはお金持ちとのパーティーに入り込んでは、良さげなオジサマにアプローチしています。

なんとか玉の輿に乗りたいと。

しかし、お金持ちとの結婚を夢見る自由奔放でお洒落なホリーは、単にあっけらかんとした玉の輿狙いの娘ではないのです。

ホリーの影

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ホリーの背後にある、14歳(!)の時に結婚した夫もいる田舎での閉塞した事実を見逃すことは出来ません。

本作の途中で登場する獣医で農家の夫がポールに告白する彼女の生い立ちと、NYに出てきてしまった経緯。

夫は4人の子供を残して亡くなった後妻に14歳のホリーを迎えました。

彼は酷い生活をしていた彼女を救ったのではないかと推察できるのです。

そうでなければ、ホリーを連れに来たのにポールの前からあっさりと引き下がるわけはないはずです。

夫はホリーはNYでの自由な生活こそ似合う、と考えたのではないでしょうか。

ホリーは辛い少女時代と早い結婚、田舎で子供を抱える後妻としての生活を捨てて、本当の自分を探しにNYに出てきたのです。

ルラメという本名を捨ててホリーとなった彼女は、お金の中に愛情を見出そうとしました。

セレブリティの象徴が彼女にとっては「ティファニー」だったのです。

彼女なりの「夢」を定め、それを目掛けて演技をしていたわけです。

しかしそれが間違いであった、真の愛情はお金にはない、ということをポールとの出会いで確認することになります。

それはラストシーン、ラストカットに如実に描かれることになります。

カポーティの世界とは違った「光」と「影」の魅力

カポーティの本音

ティファニーで朝食を 単行本 – 2008/2/29

この映画はアメリカ人小説家トルーマン・カポーティの同名の小説を原作としているが、

原作からは大きく内容が変更されて映画化されている。

カポーティは失望し、主役の気まぐれな娼婦ホリー・ゴライトリーを演じたヘプバーンのことも

「ひどいミスキャストだ」と公言した。

これは、カポーティがホリー役にはマリリン・モンローが適役だと考えていたためだった。

引用:https://ja.wikipedia.org/wiki/オードリー・ヘプバーン

ヘプバーンのイメージはカポーティが考えるホリー像とはかなりかけ離れていました。

原作ではホリーはコールガール(娼婦)でした。

しかしヘプバーンサイドから、脚本からそういうニュアンスは省くよう要請があったのです。

だから、映画の中でのホリーは男から男を渡り歩くようには描かれますが、彼女がコールガールであるというイメージはありません。

原作には冒頭の有名なシーンもありませんし、ティファニーでおもちゃの指輪に名前を彫ってもらう箇所もありません。

ポールのパトロン2Eも現れません。

カポーティの原作とは大きく変わりましたが、ヘプバーンが夢を追いかける謎多き女性を好演したことで、映画独自の魅力を獲得しました。

一人の「夢」を追い求めた若い女性の「光」と「影」とが交差する新しい世界を生みだしたのです。

最大の違いと、映画独自の「光」と「影」が交差する魅力

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映画と原作の違いを決定的に描き出しているのはラストシークエンスでしょう。

映画では拾い上げた猫を間にホリーとポールがひしと抱き合う感動的な「お金より愛だ!」という結末が描かれます。

しかし、原作ではホリーは去っていきます。おそらく空港に。その先に何が待っているのか分かりません。

原作でのホリーが目指したのは愛による束縛より、自由だったのでしょう。

それは空港へ向かうタクシーの中での二人の会話に現れていました。

ポールがホリーに愛を告げたあと彼女に語りかけたのは、ホリーが自分で作った檻の中にいるのだ、という指摘でした。

映画ではここでホリーはポールの愛に気づき、一旦タクシーから放った猫を拾い上げ、ポールの愛に応えます。

しかし原作ではそうはならず、「愛の檻」より「自由」を選んでしまうのです。

スクリーン上でホリーが「夢」みた光輝く(ように見えた)側面は、真実の愛という立場から見ると「影」にほかなりません。

ポールには早くからそれが見えていたに違いないのです。

彼の愛に応えたホリーが一旦放した猫を再び抱きしめたことに象徴されるように彼女は「檻」を破った「愛」を取りました。

ポールとの出会いで「光」と「影」を見誤っていたホリーの目が覚めた瞬間だったのです。

セレブリティを夢見るホリーの「光」を強調するジバンシーの世界

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「麗しのサブリナ」で初めてジバンシーの衣装をまとったヘプバーン。

この映画からはサブリナパンツというちょっと短い丈のパンツが流行しました。

ヘプバーンといえばジバンシーといわれるくらいヘプバーンは彼の作品が好きで、8本ほどの映画でジバンシーの衣装を使っています。

その中でも有名なのが、この映画の冒頭で登場する黒のイブニングドレスでしょう。

全編で登場するヘプバーンの魅力を増加させるジバンシーのドレス。

スクリーンで輝くホリーの衣装は、彼女が追い求めるティファニーに代表されるセレブを象徴する「光」を演出する重要な役目を担います。

彼女のキャラクターを良く語り単なる衣装の枠を超えているといえるでしょう。

ジバンシーの衣装は主題歌と並び、「ティファニーで朝食を」のもうひとりの登場人物かもしれません。

猫が象徴するもの

ホリーと猫の性格は同じ

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ホリーが飼っている猫。名前がありません。

この猫はラストシークエンスで大事な役目を担うのですが、映画全般からみれば分かりやすいホリーのメタファーといえるでしょう。

ホリー自身が自分が名前の無いこの猫と同じだ、ということをポールに叫ぶシーンもありました。

猫の自由気ままな、犬と違って飼い主に心を許していない「ツンデレ」な性格

群れない、孤独を愛するようなニュアンスもあるでしょう。

ホリーは男たちのことを「ネズミ」といいます。これは猫が狙う獲物そのもの。

まるでこうした猫の性格のカーボンコピーのようなホリーの性格なのです。

名のない猫だって普通に愛されたい

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そしてラストで、ホリーはタクシーから猫を路上に放ちます。

「自分で生きていきなさい。私もそうするから」とでも言うように。

でもホリーは自分ひとりでは生きていけない、ポールの愛こそ必要なのだと理解し、猫を探して拾い上げます。

そしてポールの後を追い、二人は猫を間に挟んでしっかりと抱き合うわけです。

挟まれた猫はまるで孤独を捨てたホリーの愛情の象徴のように見えてきます。

ホリーとポールが惹かれ合ったのはなぜ?

ポールと相似形なホリー

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ポールは小説家として名を成したいと思っています。更に2Eというパトローネに援助を受けているのです。

これは女版ホリーともいうべき立場とみえます。

アパートでたまたまホリーの部屋で彼女を見た瞬間からポールは自分と同じ匂いをホリーに感じたのではないでしょうか。

上昇志向の強いホリーはポールの「普通の愛情(こそ大切なのですが)」になかなか気が付きません。

なぜならば先にも書いたようにホリーの性格は「猫」だからです。

愛する肉親の存在

直輸入、大きな写真、「ティファニーで朝食を 」オードリー・ヘップバーン Audrey Hepburn

またホリーにはまもなく軍隊を除隊してくる兄がいます。唯一心を許せる肉親で、ホリーは彼の面倒をみようとしています。

その心を許せる兄の面影をポールに重ねていたのかも知れません。

「普通かつ真実の愛」に目覚めたホリー

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ポールはホリーの現状を自分が何とかしなくてはならないと覚醒します。

しかし、ご主人の気持ちが分からない猫のようにホリーはポールの腕からスルリスルリと抜けていきます。

ポールは自分がホリーを愛する「普通の愛」に気が付いて欲しい、ホリー自身が作った檻の中から出てきなさい、と呼びかけるのです。

そしてやっとホリーは無償に愛することの大切さを雨の降る中で気が付いたのでした。

カポーティの原作とは異なってしまった映画ですが、ブレイク・エドワーズ監督の描くNYの孤独な男女のお洒落な愛の物語に仕上がった本作。

ヘプバーンという不滅のキャラクターを得て、観る人に分かりやすく刺さる恋愛娯楽作として永遠の価値を獲得しました。

ヘンリー・マンシーニの名曲と共に。