時間を行ったり来たりするのはややこしさを伴うのです。
「パラレルワールド」のことなど考え初めたら、本シリーズの楽しみは半減です。
この映画の見所はその当たりを突っ込むのではなく、大体のことが理解できて、あの時のあれが、未来や現在ではこういうふうになっていたのか、という「伏線の回収」を愉しめば良いのではないでしょうか。
名作の企画も初めは断られた~Part Ⅱへの道
タイムマシーン映画はヒットしない
ロバート・ゼメキスと大学時代からの友人ボブ・ゲイルによって書かれた「バック・トゥ・ザ・フューチャー」の脚本。
ハリウッドの制作会社からことごとく相手にされなかった、というのは良く知られた話です。
困ったゼメキスは当時既に「ジョーズ/JAWS」「E・T」などで大監督の仲間入りを果たしていた友人スティーヴン・スピルバーグ(本3部作では製作総指揮に加わっています)に相談に行きます。
彼の助力もあり、なんとかユニバーサルでの映画化にこぎつけたのでした。
それまでタイムマシーンを扱ってヒットした映画は殆ど無かったし、過去から現在に行って戻るというややこしい内容が製作会社の重役に嫌われたようです。
PartⅠは空前の大ヒット!
構想になかったPartⅡとⅢの制作が急遽決定
PartⅠの大ヒットに機嫌を良くしたユニバーサルは、ゼメキスとゲイルに、続編の制作を依頼しました。二人は二つの条件を出します。
それは「マイケル・J・フォックスとクリストファー・ロイド(つまりマーティーとドク)が出演するならば」という事でした。
製作会社は早々に二人を説得し、続編の製作が決定しました。
PartⅡにジョージ・マクフライは出てこない
PartⅡとPart Ⅲには、第一作であれだけいい味を出していたマーティーのパパ、ジョージ・マクフライは出ていません。
写っているように見えてもバックショットだったりPart Ⅰの時の映像だったりします。
これはジョージ役のクリスピン・クローバーが、続編への出演に際し、ギャラなどの条件をマイケル・J・フォックスと同じかそれ以上にするように要求したとか。
または他の役がやりたいと主張したとかいわれていています。
ゼメキスとボブ・ゲイルはこれに応じなかったため、結局ジョージ・マクフライの出演は無くなってしまいました。
Blue-rayボックスの特典映像でゼメキスは
クリスピンがいないのは残念だったが、結果的に彼がいなくても上手く行ったよ
出典:http://bttfriser.com/qa.html
と語っています。上手い脚本の設定で、彼はPart Ⅱでは悪役ビフに殺され墓石の下の人になっていました。
しかし、結末ではビフの悪行はマーティーとドクの活躍で無かったことになりますから、きっとジョージも復活したことでしょう。
そんなことを思う間もなくデロリアンは1885年へと飛ばされてしまうのです。
(腰痛治療で逆さ吊りになっている他の役者が演じているジョージは出てきます。死んだり生き返ったり忙しいですが、これもタイムトラベルにつきもののややこしさではあります。)
Part ⅡとPart Ⅲは一度に製作された
タイムマシーン(デロリアン)が壊れるまでが一つながり
ゼメキスとゲイルは、続編を執筆するに当たり、1作目のラストでマーティーとジェニファーの子供が未来で大変なことになっているというオチにしました。
このためまずは2015年の未来に行き、そしてそこから一気に1885年の西部開拓時代へと飛び、そして現代に帰って来るという3時間に及ぶ大作にしたかったようです。