引用:https://www.amazon.co.jp/dp/B00I96C1EK/?tag=cinema-notes-22
2008年から6年間にわたって放送された『ブレイキング・バッド』は、世界中の称賛を集めたアメリカ発のドラマシリーズです。
見所が沢山ありますが、今回は主人公であるウォルター・ホワイトの内面にフォーカスを当てて考察していきたいと思います。
彼が新の意味で「ハイゼンベルク」になってしまったのはなぜか、彼を変えていったものは一体何だったのか……。
ひとりの男が転落し変貌していく人生を徹底的に紐解いていきましょう。
劣等感がハイゼンベルクを生み出した
シーズン1のウォルターには、父親としての顔が色濃く残っています。
余命を宣告された彼の下した選択はその後の人生を大きく変貌させてしまいますが、なぜ彼は「ハイゼンベルク」になったのでしょう。
本当に家族の為なのか
ウォルターは自身の学校の生徒やアルバイト先の上司から、いじめともとれる行為を受けていました。
自身の余命を聞かされたとき、彼の中でそれまで押さえていた思いが爆発したのではないでしょうか。
劇中でウォルターは何度も家族の為といっていました。
しかし彼にフォーカスを当てて観ていくと、家族の為というのは行動のきっかけにすぎません。
ハイゼンベルクとして生きていくにつれ、彼は自身の為にメスを製造していました。
間違った認識の「男」の責任
ウォルターが家族を思う気持ちは本物です。
しかしウォルターが本当に家族の為を思うのなら、シュワルツ夫妻やハンクからの援助を受けるべきでした。
しかし彼は自身のプライドやエゴの為に、メスで儲け自分で資金を用意するという選択をしています。
自分が家族を救う存在でいなくてはいけないという間違ったプライドは、彼がこれまで経験してきた劣等感が原因です。
いいかえれば、彼の劣等感がハイゼンベルクを生み出してしまったといえるでしょう。
彼の未来を示唆するセリフがある
変化を学ぶことが科学の狙いだ
成長や、衰えも化学変化というわけだ
引用:ブレイキング・バッド/配給会社:AMC
上記は劇中の冒頭部分で、ウォルターが生徒に授業をしている際のセリフです。
このセリフは、その後の彼の人生を示唆しているセリフとして話題になっています。
彼がハイゼンベルクへと変化していったのも化学変化のひとつなのです。
生きている実感がハイゼンベルクを育てた
ウォルターはメスの製造を機に、どんどん悪の道へとのめり込んでいきます。