出典元: https://www.amazon.co.jp/dp/B005QDR95U/?tag=cinema-notes-22
劇場版名探偵コナンの15周年記念の作品として制作された「沈黙の15分」。15周年と15分を掛けたところが憎らしいです。
地下鉄東都線のイベントで都知事を狙った爆発事件が発生。
そこから始まった一連の犯行は、実は8年前の出来事が引き金になっていた!
北丿沢村であの人物が犯した8年前の罪とはどんなものだったでしょうか。
いざこざで妹を死に追いやった姉みずき。彼女の罪責とは?8年の刑期を終えて出所した山尾の刑は実は重すぎるという意見も。
そしてコナンが元太と光彦に語った名言「言葉は刃」の真意にも迫ります。
東都線爆破は伏線
この映画はまず東京都知事がイベントに参加した東都線を爆破するという事件を扱っています。
これにより、都知事を狙った連続爆発事件が繰り広げられると錯覚させられてしまいました。
しかし犯人の狙いは別のところにあったという演出が観客をうまく揺さぶります。
東都線爆破の本当の目的
都知事は新潟の北丿沢村のスノーフェスティバルに参加する予定でした。
ダムを北丿沢村に作るために尽力したのが当時国土交通大臣だった都知事です。彼がイベントに呼ばれるのは当然でしょう。
しかし都知事がイベントに参加すると、犯人にとって不都合が生じます。なぜなら報道陣がたくさん北丿沢村に押し寄せるからです。
報道陣がいると犯行が発見されやすいと危惧したのでしょう。
ダム爆破の練習台
犯人はぶっつけ本番でダムを爆破させるのは失敗の確率が高いと心配したのでしょう。
東都線を爆破することで都知事を北丿沢村から遠ざけるとともに爆破練習もしていたのです。
ダム爆破が失敗に終わったら、ダムの底に沈んだダイヤを手に入れることは叶いません。
みずきの妹をひき逃げしたことを自首してまで刑期を短くしようとした犯人にはダイヤへの執念が感じられます。
このダイヤ強盗が発覚せずに済んだ山尾ですが、それでも8年もの間刑務所から出ることはできませんでした。
予想外の刑の重さに山尾は動揺したことは間違いありません。
みずきを苦しめた罪の重さ
妹の死の原因を全て山岸に背負わせ、8年間被害者として振る舞っていたみずき。彼女は可哀想な人なのでしょうか。
みずきが山岸を許さない理由は彼女自身の中にあるように思えます。
自分を許せない
ひき逃げを自首して8年間も刑務所に入っていた山岸をまだ憎み続けるみずき。
裏の理由があったにせよ自首をした人間に憎悪を剥き出しにする彼女の心理とはどのようなものだったのでしょうか。
本当は彼女も自分の罪を認めて楽になりたかったのかもしれません。しかし1度ついてしまった嘘を撤回するには勇気が必要です。
妹の死の原因を作ったこと、そして真実を隠して山岸に罪をなすりつけた自分に腹が立っていたはずです。
はけ口がなければ彼女の精神状態はもたなかったのでしょう。
他人のせいにする心の弱さ
妹の死の原因を全て山岸に背負わせ、8年間被害者として振る舞っていたみずき。
そこには自分可愛さのあまり、言い出せなかったみずきの弱さが見えます。