出典元:https://www.amazon.co.jp/dp/B07Z9HQ9ZP/?tag=cinema-notes-22
2019年公開の『マレフィセント2』は1作目に続き、「眠れる森の美女」のヴィランを主人公にした作品です。
本作品は、ファンタジーという枠に囚われず現代の社会問題を的確に風刺していました。
マレフィセントを「悪」とした要因は一体何だったのでしょう。
また妖精族に観る多様性にはどんなメッセージが隠されているのか、徹底考察していきましょう。
情報操作の恐ろしさを風刺
『マレフィセント2』には現代社会を風刺した内容が詰め込まれています。
そのひとつは、マレフィセントが悪であるという集団心理を煽ったイングリス王妃の存在です。
プロパガンダの恐ろしさ
劇中イングリス王妃は、自分の立場を利用しマレフィセントが怖い存在であるということを民衆に吹き込んでいました。
これによって民衆は知らず知らずに洗脳されていたわけです。
このシーンの風刺はとても分かりやすく描かれています。
恐怖を煽る
引用:マレフィセント2/配給会社:ウォルト・ディズニー・スタジオ・モーション・ピクチャーズ
イングリス王妃は上記のセリフからわかるように、自分が民衆を洗脳していることを隠していません。
ディズニーは分かりやすく描くことで、強い社会風刺を押し出しているのです。
このイングリス王妃はトランプ大統領のメタファーであるともいわれています。
権力を持った人間が、民衆を洗脳し間違った判断をさせることは戦争時を彷彿とさせる恐ろしい行為です。
ちなみにディズニーCEOのロバート・アイガー氏は、トランプ大統領のパリ協定離脱に異を唱え自ら助言機関を辞任しています。
本当の情報を見抜く力が必要
現代はSNSなどでいくらでも情報を得ることが出来ます。
その反面情報は操作されやすく、偽の情報が出回っているのです。
溢れる情報の中から真実を見抜く力が必要とされているのかもしれません。
本当の知識とは経験でこそ得られるということを本作で描いているようにも感じます。
憎しみを憎しみで返す愚かな人間
劇中のイングリス王妃は自分が幼いころの嫌な思い出が元になり、妖精たちに報復を目論みました。
憎しみを憎しみで返そうとする愚かな行動だったのです。
憎しみは憎しみを生み、負の連鎖は止められなくなってしまいました。
現在残念ながら戦争やテロはなくなっておりません、過去の爪痕も世界中に残っています。