本作は、世界中に残る憎しみが継続しないために取る方法を考えさせられる作品です。
人のもつ強欲さを風刺
人は少なからず欲を持っていますが「マレフィセント」はシリーズを通して人の欲の深さを描いていました。
欲望の為の殺戮
イングリス王妃の妖精殺害は、自分の欲望を満たすためのものです。
一作目ではステファン王が自分の欲の為に裏切りました。
人の持つ欲は決して悪いものではありません。
しかし欲が過ぎると人として惨めな人生を送ることになるという戒めが本作に隠されているのです。
欲に支配された人間が「悪」と呼ばれるのでしょう。
主観的な「悪」への思い込み
『マレフィセント2』では悪とは何かを観客に問いかけてきます。
本作では原作とは逆に人間側が悪として描かれているので、観る者は何となく居心地の悪さを感じるのです。
自分が悪として見なしているものは、自分にとって都合がよくないものではないでしょうか。
イングリス王妃にとっては自分こそが正義だったのでしょう。
彼女の存在が示すように主観的な正義、主観的な悪の決めつけは大変危険な思考といえます。
ニュートラルな視線を持つことが大切
劇中で軟弱もの扱いされていたフィリップ王子ですが、彼は唯一ニュートラルな視線で物事を見ています。
やめよう、共存できるんだ
誰も傷つけたくない
引用:マレフィセント2/配給会社:ウォルト・ディズニー・スタジオ・モーション・ピクチャーズ
母親であるイングリス王妃に付くわけでもなく、戦いを第三者としてニュートラルな視線で見れています。
憎しみに捕らわれそうになったとき、彼のような視点で物事を見ることが出来たら正義の判断が下せるのではないでしょうか。
女性の社会進出の影響か
近年のディズニー映画に顕著に表れていることですが、本作も女性が主体の映画になっています。
マレフィセントとイングリス王妃の戦いや、オーロラ姫の活躍などが中心で、男性キャストは付属的な立ち位置です。
近年、アメコミヒーローで有名な「マーベル」も女性の強さを前面に押し出してきています。
女性の強さを見せつけるような作風は、まさに現代の女性社会進出が反映されているようです。
マレフィセントを悪に戻したものは
1作目で育ての親として愛を確認したマレフィセントとオーロラですが、本作で再びマレフィセントは闇に落ちてしまいます。
彼女を再び闇へと落としてしまったものは一体何だったのでしょう。
人間の強欲さ
いうまでもなく、引き金を引いたのはイングリス王妃の腹黒い陰謀です。
寛大な心で非礼を許します
あるのかしら?
引用:マレフィセント2/配給会社:ウォルト・ディズニー・スタジオ・モーション・ピクチャーズ
上記はイングリス王妃に寛大な心などない、といいきったマレフィセントのセリフです。