しかしマリスが裏切り、マレスペロが指示を出していた時点で共存は難しいことだったはずです。
ここで壊滅させられたフェストゥムは、悪とはいい切れないながら、確実に敵であったという、難しい状況での戦いになったといえます。
一騎達、竜宮島サイドは偽竜宮島の在り方を知っていたのか
これはフェストゥムとの今後の関係性について、どうなっていくのかというポイントになります。
一騎は偽物であるとはいえ、総士の妹という立場であるフロロを総士の目の前で殺したのです。それをする意味は一体何だったのでしょうか。
ウォーカー状態で戦っていた時点で同化していれば、総士の為に目の前で涙する妹を葬る必要はありませんでした。
一騎達はこの作戦を総士のために行っています。しかしこれでは総士に敵対心を持たれても仕方がありません。
知らずにただ敵だからという理由で攻撃した?
総士は偽竜宮島にいれば幸せだったはずです。誰からも守られ、愛され、総士には前作以前の一騎のような友達もいました。
一騎は「お前たちの暮らしを見ていた」と話した以上、偵察に来ていた時点で状況だけは察していたはずです。
この様子と、既にフェストゥムとの共存も前例がある中で、一騎たちは総士の為に「島を落とす」レベルの総攻撃を仕掛けるでしょうか。
知っていた上で、恨みから攻撃した?
偽竜宮島の状況を知っていたのなら、その在り様が『自分たちのかつての姿と全く同じである』事もわかっていたはずです。
しかし相手はフェストゥム、その理由で容赦なく攻撃し、相手を滅ぼすまで攻撃しようという心持ちだったのでしょうか。
知っていた上で、今後の為に必要な手順だった?
3話で登場したルヴィ・カーマが未来予知の能力を持っていることは示唆されているため、これが必要な手順だった可能性があります。
つまり、総士が人間側ではなく、気持ちを一度フェストゥム側、人間や一騎に敵対心を持たなければならない流れがあったのかもしれません。
ルヴィは3話の中で総士が暴走を起こし、竜宮島を滅ぼそうとすることを知りながらマークニヒトに乗せているのです。
なので一騎達、島サイドの人間はすべてを知った上で行動しているという可能性があります。
「THE BEYOND」とは
作品内各シーンでそれらしい表現が多いです。
総士は地平線の彼方<BEYOND>を臨み、一騎は前作での出来事から生命の限界を越え、戦う度に眠りにつき、心を失くしていきます。
2話でも見せていますが、SDPのような能力を生身で駆使し、明らかに人間を超えて<BEYOND>いるのです。
なかでも今作での主人公となる総士の見るBEYOND、地平線は偽物の世界の外側を表すことでしょう。
ここから総士は現実を知り、彼にとっての未知の場所<THE BEYOND>に辿り着くのではないでしょうか。
そして人間を超えたことでほぼ無感情に話す一騎は総士に対してのみ感情的に振る舞っています。
既に生死を超えた存在となっている一騎ですが、総士の痛みを引き受けて自分は眠りにつくという描写もありました。
THE BEYONDには『あの世』という死の世界の意味も持っています。
今の所、徹底的にすれ違いやシンクロしているようで真逆の反応を起こすような展開です。
もしかすると総士が一騎を強く恨むほど、一騎が総士のために愛を持って死ぬという展開もあるかもしれません。