このあかねのおにぎりのセリフからは、妹あおいの事を何よりも優先してきた人生ではなく、自分自信の人生を歩もうという意思が感じられます。
それはつまり慎之介と向き合い、共に歩んでいくという決意です。
このことからしんのは、あかねと慎之介を引き合わせるという目的を持ち、目的を達成したことにより、消えたのだといえるでしょう。
しんのがお堂を出られたのは何故か
しんのと慎之介の後悔や地元へ残したあかねへの想い、東京からいつでもあかねを迎えに来られるようにした未練。
あかねスペシャルは、それら全ての象徴といえるのではないでしょうか。
トンネルへペンダントを取りに向かい土砂崩れに巻き込まれたあかねに対し、心配でいてもたってもいられなくなってしまいました。
そのあかねを強く想う気持ちであかねスペシャルの呪縛を解くことができ、お堂を出られたのだと考えられます。
空の青さを知る人物とは?
あかねの好きな詩の一節、空の青さとは何を指すのか。
そして、今作のタイトルにもなっている空の青さを知る人とは誰のことなのかを考察してみましょう。
諺の「井戸」が指す意味
劇中のあかねとあおいの会話で、秩父のことをこのように表現しています。
「山に囲まれた牢獄のような町だ。」
引用:空の青さを知る人よ/配給会社:東宝
今作のタイトルにもある諺の井戸は秩父を指しているといえるでしょう。
慎之介のデビュー曲に込められたメッセージ
あかねの好きな詩は「井の中の蛙大海を知らず、されど空の青さを知る」であり、卒業文集に書かれていました。
そして慎之介のデビュー曲は「空の青さを知る人よ」。
上京し、時間が経ってしまいましたが、慎之介はあかねへの想いを込めて作曲したのではないでしょうか。
空の青さを知る人物とは
前述のことから、空の青さを知る人はあかねであると推測できます。
両親の事故をキッカケに慎之介とともに上京することを諦め、秩父という狭い井戸の中でとどまり一生懸命働くことを選ばざるを得ません。
しかし、親代わりとしてあおいの成長を実感できる幸せを、あかねは知ることができました。
タイトルでもあるこの言葉には、慎之介からあかねへ、そしてあかね本人の大切な気持ちが込められているように感じられます。
空の青さの大切さに気づくあおい
劇中の冒頭では、自分の置かれている状況に対し牢獄とまで表現し、姉のあかねに対しても不満を露わにしこのようなセリフを残していました。
「良い姉すぎてなんとなく嫌だ。」
引用:空の青さを知る人よ/配給会社:東宝
こんなことまで言っていたあおいですが、しんのやあかねと真剣に向き合う中で自分の心の変化に気づきます。
ついには空の青さ(最愛の姉あかねと一緒にいること)の大切さを改めて知ることができました。
ガンダーラに込められたメッセージ
ガンダーラとは、「どんな夢でも叶う場所」という意味で表現されています。
あかねと慎之介にとってのガンダーラとは、どこを示すのでしょうか。
あかねにとってのガンダーラ
高校時代からガンダーラが好きだったあかね。慎之介とともに目指したどんな夢でも叶う場所、それは東京です。