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1995年に公開された『クレヨンしんちゃん 雲黒斎の野望』は、期待を裏切る時間軸の設定が魅力です。
映画シリーズ3作目にして、軽快な中に強いメッセージを込めファンの心を掴む内容になっていました。
男として生きる吹雪丸の感情を深く掘り下げて考察していきます。
お銀との戦いで髪を切ったシーンに秘められた真意とは一体何だったのでしょう。
男として生きる吹雪丸の感情
戦国時代でしんのすけ達が出会った吹雪丸は、どんな気持ちで男としての人生を歩んでいたのでしょう。
男として育てられたのは雪乃のせい
吹雪丸は劇中で自分が男として育てられた経緯を話しています。
父上には世継ぎがいなかった
だから私を男として育てた
引用:クレヨンしんちゃん 雲黒斎の野望/配給回会社:東宝
本編の序盤では妹がいるという構成で話が進んでいました。
世継ぎが存在していないから、仕方なく男として生きているのです。
吹雪丸は家の為を思って、自分が犠牲になっているのでしょう。
しかし話が進むと妹雪乃は、実は男であったことが判明します。
雪乃はどうしても男のように振舞うことが出来ない。雪乃を大切に思う吹雪丸は自分が男として生きることで雪乃を守っていたのです。
おそらく吹雪丸は雪乃を恨んだことはないのでしょう、仕方がないことと受け止めているように感じます。
だからこそ本来弟である雪乃を妹とよんでいたのです。
男にならなくてはという想い
劇中で浪人に襲われた際、吹雪丸は下記のセリフを投げかけていました。
己に力がないのに口ばかり達者な奴が私は大嫌いだ
男なら腕でこい 剣でこい
引用:クレヨンしんちゃん 雲黒斎の野望/配給回会社:東宝
男ならこうあるべきだという意見であり、自分の中の男性像なのでしょう。
吹雪丸は女であるがゆえに、より男らしく強くいようと努力していたのではないでしょうか。
吹雪丸は女として生きたかった?
劇中で花を美しいと愛でる姿があったのは、吹雪丸が女であることを象徴しているシーンです。
いつもどこか悲し気な吹雪丸からは、女として生きたかったという思いが見え隠れしていました。
しかし自分がすべてを受け止め、愚痴もいわず前へ進む姿は懐の大きさを感じます。
激動の戦国時代を生き抜く吹雪丸の決意
吹雪丸が生きた戦国時代では、一国の主にとって世継ぎはとても大切な存在だったのです。
時にはお家の滅亡にも関わります。
雪乃が家を継げない状況であるのなら、吹雪丸が性別を変えてでも国を守っていかなくてはなりません。
死というものが間近にあった時代だからこそ、生きる為に男としての道を選択したのでしょう。
吹雪丸が女であることの伏線
劇中では数々の伏線が張られていました。
吹雪丸が女であることの伏線
吹雪丸は登場した瞬間からどこか中性的な雰囲気を出しており、女ではないかと観客に思わせています。