ヘクソンは他人の思考を読めることを逆手にとり、夫婦仲を裂こうとしていました。
彼は、これまでもそうやって敵の絆を壊し戦いに勝ってきたのかもしれません。
しかし夫婦の心には、自分が武器としてきた「敵の弱い心」が見つからなかったのでしょう。
動きを読めないヘクソンは、これまでの戦い方が一切通用しなくなってしまい不意を突かれたのです。
歌は暴力よりも強しか…。
歌よりもっと強いのは愛よ
引用:クレヨンしんちゃん 暗黒タマタマ大追跡/配給会社:東宝
ひろしたちのセリフですが、本作を全てまとめるセリフのように聞こえます。
家族の「愛」がどれほど強いものか『クレヨンしんちゃん 暗黒タマタマ大追跡』はその強さを見せつける映画だったのではないでしょうか。
家族の中で育った「兄」としての自覚
劇中には様々な家族の在り方が描かれています。
そして野原家は今作でも家族皆で、強敵に立ち向かいました。
父親とのシーンでしんのすけは成長する
劇中でひろしとしんのすけは、度々男同士の会話をしています。
その会話はふざけた会話から真面目な会話までありますが、しんのすけはこの男同士の会話の中で成長していくのです。
母親みさえにはいつも悪態をつきながら甘えていますが、父親であるひろしの話にはしっかりと耳を傾けています。
決してパーフェクトな父親ではありませんが、やはり父親の存在はしんのすけにとって大きいものなのでしょう。
男らしいしんのすけの姿
みさえとひまわりを守り盾になる姿や、自分ひとりでも敵に立ち向かう姿は劇場版でしか観られないしんのすけの姿です。
妹ひまわりを登場させたことで、兄しんのすけとしての成長が上手く描かれていました。
ひろしが少々頼りないキャラクターなので、そこをしんのすけが勇気とユーモアで補充しているようにも観えます。
野原家に生まれたからこそ、しんのすけは「兄」として成長できたのです。
リアルなキャラクターの姿
本作がシリーズの中で人気が高い理由は、共感できるリアルさにあります。
アニメ独特のありえないような事件が勃発しますが、登場するキャラクターたちはリアルさを持って描かれていました。
母親の何気ない言葉
劇中で母みさえは、まだ小さなひまわりを気にかけています。
現実の子育てによくあることで、少し手の離れたお兄ちゃんにかまう時間が減ってしまうのです。
この子が無事なら…。
オラはどうだっていいのか?
引用:クレヨンしんちゃん 暗黒タマタマ大追跡/配給会社:東宝
みさえがひまわりを心配するシーンですが、しんのすけが少しずつ寂しさを溜めこんでいくのが伝わります。
母の何気ない言葉は、子供にとってとても大きなものです。