出典元;https://www.amazon.co.jp/dp/B0078YI11Q-22/?tag=cinema-notes-22
なんとも奇妙なタイトルのこの映画、三谷幸喜監督が長年の構想を経て映画化した法廷コメディです。
幽霊が見える弁護士宝生エミが、幽霊更科六兵衛とコンビを組んで裁判に挑む奇想天外な物語ですが、最後に異変が起こります。
エミに幽霊が見えなくなったのです。彼女に何が起きたのでしょうか。いなくなった六兵衛も気になります。
エミと敵対する小佐野検事の行動や数々の伏線を深堀すると、コミカルな物語の中に優しい人間愛が見えてくるのです。
ステキな金縛りは、日本アカデミー賞で監督賞作品賞など多くの賞を受賞しました。
女優賞を受賞した深津絵里さんはこの作品で演技の幅を広げ、コメディエンヌとしても評価されています。
引用:https://ja.wikipedia.org/wiki/ステキな金縛り
なぜ、見えていた幽霊がラストで見えなくなったのか
裁判が終わったラストシーンで幽霊が見えなくなった弁護士宝生エミ。
見えなくなった理由を、幽霊が見えるための条件やエミの環境の変化などから考察してみました。
3つの条件がそろわないと幽霊は見えない
幽霊が見える条件は、シナモン好きであり、最近ついてない日々が続き、死を考える出来事に遭遇するという3つでした。
条件の1つ「ついてない日々」から脱却したことが、エミに幽霊が見えなくなった主要因だと思われますが、それだけでしょうか。
確かに、初めて裁判に勝って自信をつけ運気もあがりましたが、エミの周囲には他にもさまざまな変化が起きています。
不思議な青い満月の光も幽霊と関係があるのでは
青い満月からは、スピリチュアルな印象を受けます。
エミが最初に幽霊六兵衛に出会ったとき、青い月の光に照らされて幽霊の存在を象徴しているようでした。
裁判で勝訴し幽霊が見えなくなった時も青い満月でした。エミには2度の満月に挟まれた期間だけ幽霊が見えているのです。
青い満月は非常に珍しい天体現象で、見た人に幸運を引き寄せ、願いをかなえる力があるといわれています。
欲する物を得るためではなく、苦しみや不運から解放されたい願いを引き寄せる力で、エミの精神状態に通じるものがあります。
彼女にとって、珍しい幽霊との出会いを引き寄せ、運に見放された環境から抜け出させてくれた青い光の満月でした。
3つの条件とは別の次元で、青い満月がエミの願いをかなえた時、彼女には幽霊が見えなくなったともいえるのです。
また、ブルームーンは映画のサブタイトルや主題歌に伏線として使われていました。
サブタイトルではブルームーンを入れた慣用句Once in a Blue Moonを使用。
主題歌も同タイトルで、主演の深津絵里さんと西田敏行さんがエミの心情をしっとりと歌いあげています。
天国からいつも見守られて、ひとりではなかったと感じた時
六兵衛が強制送還されるまえにエミに話した内容も、幽霊が見えなくなった理由に関係がありそうです。