因縁のあるゴジラに殺してほしいと思う、新堂の気持ちも解るのです。
新堂と対峙したゴジラの感情
ゴジラは新堂を前にして、リアクションを見せます。
このシーンでの感情の動きを考察していきます。
ゴジラには新堂がわかっている
ゴジラと対峙した新堂は、感極まったようにうなずきます。
ゴジラも新堂を見据えて、まばたきしたり、吠えたりと普通とは違うリアクションを見せます。
この時点で、ゴジラはいち個体として新堂を覚えていたことが解るのです。
ゴジラが感じた敬意
ラゴス島で新堂に出会ったゴジラは、ゴジラザウルスであったときの記憶も持っていました。
対峙した際に見つめ合い、動きを止め、そして大きく咆哮した後に放射熱線でビルごと新堂を吹き飛ばすのです。
このとき、ゴジラは自分に敬意を向けてくれた人間の存在を理解していました。
そのうえで、破壊神としてビルごと新堂を吹き飛ばすのです。
ただ普通に破壊するだけでなく、放射熱線を使ったのもゴジラとしての力を見せて新堂を弔うようにあの世へ送ったのでしょう。
ゴジラと人は繋がれるのか
ゴジラにとって本来、人間は眼中にないちっぽけな存在のはずなのです。
その中で新堂はゴジラザウルスだったときの記憶に残る、特別な相手になります。
それゆえに一度は停止し、視線を交わしあいました。
ですがゴジラとは自然であり、災害です。
自然や災害が人間に配慮しないようにゴジラもこの後、配慮はしません。
エミーが寺田に子孫だと告げなかった理由とは
未来を作るために過去を改変するなど、本作はシリーズで初めてタイムワープについて取り扱っています。
寺田の子孫であるエミーが出自を告げなかった理由について、SF知識を織り交ぜながら考察していきます。
タイムパラドックスとは
例えば自分が過去にさかのぼり、自分が誕生する前の両親を殺害すると、自分が生まれる未来は消えてしまうため、ここにいるのに自分自身が存在しない未来が生まれます。
この矛盾をタイムパラドックスといいます。
作中のタイムワープは2回
作中ではゴジラザウルスがビキニ環礁での水爆実験を受けてゴジラが発生した過去を消すため、ゴジラザウルスをベーリング海に転移させます。
その代わりに3匹のドラッドを置いてきたことで、ゴジラの消滅を確認したと同時に、キングギドラが発生したのです。
また現代のゴジラを倒すために、未来のキングギドラを改造して現代へとタイムワープさせるという手段をエミーは使いました。
これはタイムワープで歴史改変が起きる、ということを示しています。