つまり過去に干渉すれば、未来は変わるのです。
ただしエンディングではゴジラは小笠原沖で生きているため、滅亡する可能性の未来はあり続けるのかもしれません。
タイムパラドックスの発生を恐れて
エミーが寺田の子孫であることを告げてしまうと発生する問題は、寺田が子供を作らない過去が起こりうるということです。
寺田は結婚して子供を作らないとエミーが誕生しない未来が発生するため、エミーは不用意に寺田に伝えなかったのではないでしょうか。
もちろん自分が子孫だと明かして、寺田の結婚などを後押しすることもできたかもしれませんが、その結果がどうなるかまではわかりません。
日本が世界を支配する未来からやってきた宇宙人が日本をコントロールしようとして、結果ゴジラによって最貧国まで落ちる未来に変わったので、影響はあるのでしょう。
このように過去の寺田に干渉して未来への影響が出ないようにしたのかもしれません。
未来の収束率は意外と高い
ただ、この世界でのタイムワープの効果には疑問点もあります。
ゴジラをベーリング海に移してゴジラが消滅したと確認された後に、ベーリング海で放射性物質を受けてゴジラが誕生してしまうなど、結果としてゴジラは防げていません。
多少エミーが無茶をしたところで、エミーが生まれる未来は確定しているのではないでしょうか。
洋画の影響を色濃く表す映画ネタの考察
本作はハリウッド映画オマージュが多数含まれているのも特徴です。
影響を受けていると思われる作品についてこちらで記述していきます。
映画ファンが見るとニヤリとできる作品
過去に行って歴史を改変するSFは多くありますが、1985年公開の「バック・トゥ・ザ・フューチャー」を下敷きにしたものと思われます。
メカキングギドラを操作して敵を倒す強い女性の描き方は、1986年公開の「エイリアン2」に登場するリプリーからです。
人間そっくりのアンドロイドが火に包まれても襲ってくるのは1984年の「ターミネーター」がモチーフになっています。
懐かしい70年代洋画からの引用も
コンピュータ爆破の際に寺田がつぶやく「メイク・マイ・デイ」というセリフは1971年公開の「ダーティーハリー」からの引用です。
UFOを観たスピルバーグ少佐は言わずとしれたスティーブン・スピルバーグが元ネタになっています。
そうなると1977年公開の「未知との遭遇」に関連付けているのに間違いありません。
このように、映画ファンがみても楽しめる作品になっているのです。
まとめ
ゴジラという生命体の起源について初めて言及したのが本作になります。
ゴジラザウルスというゴジラのもととなる生命と、その生命体に通じていた人間とを描くことで、ゴジラにより感情移入できる作品になっています。
起源の他にもゴジラとキングギドラの対決、ゴジラと人間とのドラマ、随所に見られる映画ネタなど色々と楽しめる作品です。
本記事を振り返りながら、改めて楽しんでみてはいかがでしょうか。