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日本では「アナ雪」の愛称ですっかり定着したディズニーのアニメ映画『アナと雪の女王』。
2014年公開の第一作目は歴代3位・254億円の国内興行収入をたたき出し、世界でも13億ドルに迫る特大ヒットを記録しました。
またアカデミー賞にて「主題歌賞」と「長編アニメーション賞」に輝いたことで、作品の完成度も高く評価されました。
今回は世界中で空前のブームを巻き起こした『アナと雪の女王』の魅力について徹底的に解説します。
そしてエルサとアナの姉妹を通して描かれた「愛」のメッセージを深く掘り下げてゆきましょう。
物語としての魅力
「アナと雪の女王」の魅力について物語の側面から見てゆきましょう。
共感できるキャラクターたち
『アナと雪の女王』に登場するのは、氷の魔法を使う女王やしゃべる雪だるまなどファンタジー作品らしいキャラばかりです。
しかし中身は人間味たっぷりであり、その性格や言動には強い親近感を覚えます。エルサとアナからして世の姉妹のステロタイプです。
慎重で石橋を叩いて渡る姉エルサに対し妹アナは楽天的で行動してから考える人。
そんな身近にいるような姉妹だからこそ、多くの人が感情移入しやすく映画に夢中になったといえるでしょう。
ディズニー初!ダブルヒロインの効果
これまでディスニーのアニメ作品ではヒロインは1人と決まっていました。しかし本作では初めてエルサとアナがダブルヒロインを務めています。
2人のヒロインの性格が真逆なので慎重派や楽天家・知性派や行動派といった相対するタイプの両方を映画の中に取り込めます。
また物語として観るとアナのストーリーとエルサのそれが絶妙に絡み合うことで飽きさせない展開になっているといえるでしょう。
ダブルヒロインは何より共生が叫ばれる現代に合った手法でもあります。ディズニーのヒロインもまたシェアされる時代なのです。
そしてそれは色んなヒロインがいていいという多様性のメッセージにもつながるものでしょう。
主題歌『Let It Go』の魅力
アナ雪といえば主題歌『Let It Go』です。日本では松たか子さんの歌が大絶賛され当時多くの人が「レリゴーレリゴー」と口ずさんでいました。
世界では40カ国を超す国で歌われ、ブームはアカデミー賞の「主題歌賞」という栄冠として結実しました。
ありのままの自分でいいんだという歌詞は、まさに時代が必要としている言葉だったのでしょう。
『Let It Go』の歌詞は幅広い世代の胸を打ち、押し込めた自分を解放できる爽快感が現代人の心をつかみました。
『タイタニック』の『My Heart Will Go On』といい、ハリウッドの名作には素晴らしい主題歌があることが少なくありません。
いい主題歌には口コミや批評家の絶賛などよりも遥かに高い宣伝効果があるでしょう。歌が世の中に浸透するごとに映画もまた広がってゆきます。
ネットでは25カ国もの言語で歌い上げる「Let It Go」が高い注目を集めました。
ワンフレーズづつ変わる各国の言葉が、世界中でヒットを飛ばす本作の人気ぶりを象徴しているようです。
こちらのリンクで、そのYouTube動画が見れます。
ミルスタイン氏が考える大ヒットの要因
ディズニー・アニメーション・スタジオの海外拠点を統括しているアンドリュー・ミルスタイン氏。彼が考える大ヒットの要因を解説します。
物語に観客を食らいつかせるフック
ミルスタイン氏はアナ雪・大ヒットの要因に、まずストーリーの牽引力を挙げています。
ストーリー展開が予測不可能なワクワクさせるものであり、それが最後まで観客をつかんで離さないということです。