出典元:https://www.amazon.co.jp/dp/B01ND1EKUA/?tag=cinema-notes-22
本作で長編映画の監督デビューをした「シーア・シェアイック」と原作者「ジョジョ・モイーズ」が脚本として参加したアメリカ・イギリスの合作映画。
2016年、世界中で最もヒットしたラブストーリーが「世界一キライなあなたに」です。
障がい者の安楽死という非常にディープな内容を扱い、深い感動を与えましたが、ディープな内容ゆえに賛否両論も巻き起こしました。
作品を観て、本当の幸せとは何か?幸せを感じるためには愛とお金のどちらが必要なのか、など考えさせられた人も多いのではないでしょうか。
本記事では、そんな話題作についてネタバレを含みつつストーリーから読み取れる“幸せの意味”について考察していきます。
愛があれば幸せ?
さて、まず最初に問いたいのは“愛”とは何か、ということについてです。
世の中、男女間トラブルのニュースで溢れていて、あの人とこの人が不倫をしたと毎日ワイドショーをにぎわせています。
愛はもろ刃の剣です。大きすぎる愛は自分も相手も傷つける可能性があります。
愛があれば本当に幸せなのでしょうか?
お金があれば幸せ?
では次に、お金とは何でしょうか?
幸せの国と呼ばれる「ブータン」という王国があります。ヒマラヤ山脈の南に位置し、面積は九州と同じくらいの小国です。
なんとこの国の国民は97%の人が自分は幸せであると答えています。1人あたりのGDPは、遥かに日本の方が高いのに、です。
お金とは何でしょう?お金があれば本当に幸せなのでしょうか?
2人にとっての幸せとは?
「ウィル」に生きていて欲しいと願う「ルー」と、障害を持った自分を受け入れられず安楽死を選びたい「ウィル」の2人。
愛し合っているのに「ウィル」は死という選択を変えようとしないのはなぜでしょうか。
現代の「ロミオとジュリエット」といってもいい悲劇ですね。
ここでは「ルー」と「ウィル」の観点から幸せについて考察してみましょう。
「ルー」の幸せとは
「ルー」は「ウィル」に生きて欲しかったはずです。
愛する人の死を受け入れたくない、ましてやそれが安楽死という形であればなおのことでしょう。
しかし「ウィル」の選択を無理やり変えることが果たして「ウィル」のためにといえるでしょうか。
それは「ウィル」の尊厳を無視する行為でもあるのです。
物語終盤で「ルー」の父親にこのようなセリフがありました。
人を変えることはできない
引用元:世界一キライなあなたに/配給会社:ワーナー・ブラザース
貧困の家庭のため自分を犠牲にする「ルー」と自分の人生を受け入れられない「ウィル」は立場が違えど、境遇が似ている2人です。
そんな2人だからこそ「ルー」は、最初は戸惑いながらも「ウィル」の気持ちを認めたのではないのでしょうか。
彼の尊厳を守ること、それが「ウィル」の幸せであり、「ウィル」が幸せであることが「ルー」自身の幸せでもあったのだと考えられます。
「ウィル」の幸せとは
「ウィル」の幸せは物語序盤では、四肢麻痺やそれに伴う合併症などの障害の苦痛、以前の自分とはかけ離れた現状から逃れる為の安楽死でした。