受取手によってはリコール社で諜報員の記憶を買ってからラストまで、ずっと夢の中だと感じる人もいるかもしれません。
こういった2つの意見が出てくることもこの作品の面白いところで、現実である証拠や夢の中である証拠は作中出てきません。
この映画の観たあなたは「夢の中」と「現実」どちらとして見ていたでしょうか?
また、次観る時には、前回観た時とは逆の視点で観ても面白い映画であると思います。
1990年版と2012年版の変更点
ここからは、2012年版を観て1990年版にも興味を持った方や観たいと思っている方に、1990年版と2012年版の違いを大きく2つご紹介したいと思います。
1990年版も2012年版に負けず劣らずの魅力を持った作品となっています。
裏を返せばそれだけ内容や演出に変更点あるということでもあります。
変更点を探したり、別々の演出に注目して観られる映画というのはなかなかないものです。
こういったこともリメイク作品である「トータル・リコール」ならではの面白いところであると思います。
では、変更点をご紹介していきます。
CGによる演出
2012年版ではCGを使った演出が多く観られましたが、1990年版ではそこまでCG技術が発達していませんでした。
2012年版では近未来という設定もあり、手に埋め込む携帯電話や首から上を映像で変える変装アイテムなどが出てきました。
しかし、1990年版ではCG技術なしでこれらを演出しています。
2012年版を観た皆さんにはインパクトあふれる演出にびっくりすると思います。
監督、役者の違い
冒頭でも話しましたが、1990年版と2012年版で主演がアーノルド・シュワルツェネッガーからコリン・ファレルへと変わりました。
この他にも監督が1990年版はポール・バーホーベン、2012年版ではレン・ワイズマンと違う監督が担当しています。
監督が変わったことより、1990年版ではグロテスクな表現が散見されますが、2012年版ではあまり多くはありません。
例えば、2012年版でのダグラスの携帯電話につけられた発信機の演出では、手のひらを瓶の破片で切って取り出していました。
ですが、1990年版の発信機の演出はもっとグロテスクかつ斬新な演出で表現されています。
この他にも内容自体の変更点もあり、2012年版の方がより原作に近い内容となっています。
それに比べ、1990年版は少しアレンジしたような内容が特徴です。
気になる方は是非、観比べてみてください。
最後に
今回はローリーに狙われる理由、ダグラスを生かしておいた理由、「REKALL」の真意、ラストシーン、1990年版と2012年版の違いについて考察しました。
「トータル・リコール」は近未来の記憶を操作する技術にフォーカスを置いた内容となっています。
主人公のダグラスは記憶がない恐怖に打ち勝ち、幸せなラストを迎えました。
自分が何者なのか分からないという恐怖に打ち勝てる人はなかなかいないと思います。
そんな恐怖に打ち勝ったダグラスが主人公だからこそ魅力的あふれる作品になったのではないかと思います。
皆さんはダグラスのように記憶を取り戻すことを拒むことはできるでしょうか?