バブル時代に日本企業は、アメリカの企業を買収し、有名なビルも日本のものとなりました。
グレムリンがコンクリートの中に落ちた後に羽ばたいて、教会の建物の一部になったシーンは、これを象徴しているかのようです。
つまり新種のグレムリンは日本人を彷彿とさせるように描かれているので、強烈な皮肉を含んでいると言えるでしょう。
カメラマンの日本人もバランスの感覚の悪い人で、何が起ころうともカメラを離しません。
アメリカ人女性について無礼にもカメラを撮り続ける姿は、マナー知らずの野蛮人だという意味を含んでいるようです。
アメリカ人もテクノロジーはあっても本当の文明国ではない
けれど、一方のアメリカ人でさえ、本当の文明を知っているのかというとそうではありません。
上記の「思いやり、規範、作法、伝統」というのは新しい国であるアメリカにとっては、これから得たい側面です。
日本人は、そもそもそのような伝統文化を持ちながら、テクノロジーを夢見て「ニューヨーク、ニューヨーク」とグレムリンと同様に騒いでいます。
けれど、本当は、元からあるものが素晴らしいのではないかと言われているように思えます。
ニューヨークVS…
ニューヨークの街に対抗するものとして、キングストン・フォールズやチャイナタウン、日本人、ビリーやケイトの牧歌的な恋愛や、同郷のおのぼりのおじさんとおばさんなどが描かれています。
いずれも、失われつつあるが、失ってはいけない大切な美しいものなんだと言われているようです。
バイオテクノロジー
ギズモの背中から出ていった、グレムリンたちは、バイオテクノロジーの力も借りて、それぞれに進化します。
新種のグレムリンの出来上がり。
バイオテクノロジーで救われているものはなく、邪悪な力が増しているだけです。
羽が生えたり、言葉が話せるようになっても、体から野菜が生えてきても、ただの気持ち悪い生物には変わりません。
文明の反対方向に暴走していきます。
このモンスターたちはドラキュラのように日光で封印されるのかと思いきや、電気で壊滅させられます。
ここまで暴走したものは、自然界の力ではなく、人間の意志をもって着実に封じ込めないと治らないということを表しているのではないでしょうか。
本当の意味での文明化した未来
キズモがいじめられている理由
たとえばチベット民族が迫害されているように、穏やかで優しい性分のある種はいじめを受けやすいのではないでしょうか。
キズモのポジションを奪いたい、キズモを見ていると無性に腹が立つ、ただいじめるのが愉快、など理由はたくさん考えられます。
これが、メタファーだとしたら次のように考えられないでしょうか。
日光に弱い種は白人のことでもあり、グレムリンは白人のことを指してもいます。