出典元: https://www.amazon.co.jp/dp/4151839011/?tag=cinema-notes-22
小林直己演じるカメラマン禎司と外国人女性ルーシー、そしてリリーの三角関係がやがて殺人事件を生む映画「アースクエイクバード」。
サスペンス要素よりもルーシーの「思い込み」にスポットライトを当てた点が他の作品とは一線を画しています。
ルーシーはリリー殺害を自白したが、本当に彼女が殺害したのか。なぜリリーは死ななければならなかったのか。
そしてルーシーは恋人はいないと発言していたが、禎司とルーシーはどの様な関係だったのかも考察していきます。
禎司との関係
警察の取り調べで尋ねられた恋人の有無。ここからルーシーの禎司への気持ちの揺れが見受けられます。
また逆に禎司はルーシーのことをどう思っていたのかも注目すべき点です。
恋人だったのか
取り調べの時、恋人はいないとルーシーが答えた意図はどこにあったのでしょうか。
後ろめたい事があったから禎司の存在を隠していたという考え方が王道だと思います。
その他にも、嫉妬から出た本音。あんな男、私の恋人なんかじゃないという強がりもあったはずです。
喧嘩別れ状態だったので、本当に付き合っているのか自分でもよく分からなかったという側面もあります。
しかしその後禎司の家へ向かったことから、ルーシーは禎司のことを恋人だと思っていたことは間違いないです。
ルーシーはただの獲物だった
禎司はルーシーのことをちゃんと恋人だと思っていたのでしょうか。
2人は互いに惹かれ合った様ですが、女性を殺害することに快楽を得るタイプの禎司にとってルーシーは獲物だった可能性も否定できません。
リリーと浮気していたことを考えると、ルーシーに本気ではなかった様にも見えます。
ですがリリーはすぐ殺したのに、なぜルーシーは殺されなかったのでしょうか。
リリーが死亡した理由
リリーは禎司が快楽殺人者だと知らずに付いて行った結果、彼の餌食になってしまいました。
快楽殺人は基本的に顔見知りをターゲットにしません。殺害の痕跡を残さず、自分が捕まらない様に計画を立てて犯行に及びます。
しかし禎司の場合、恋人や仲良くなった女性を殺害しています。
そうなると捜査の対象になりやすく、危険な賭けであることは間違いありません。
そんな危険を顧みず犯行に及んでいることから、少なくとも「好みのタイプ」なだけでなく好意を抱いた相手を手にかけているといえるでしょう。
つまりルーシーという恋人がいながら、リリーにも惹かれた証拠です。
リリーが禎司に興味を持ち、彼もまたリリーに好意を抱いたことがリリーを死に追いやった理由でした。
なぜ禎司はリリーを殺したのか
禎司は街で見かけたルーシーを突然撮影し始めるほど、彼にとって写真はなくてはならない存在でした。
それは仕事や趣味の枠を超え、性癖にまで発展しています。
彼が純粋に写真を愛していたのか、女性を撮りたいから写真に夢中になったのかは描かれていません。