父親は報われない時期にもがき続け、そして歌舞伎を演じる為に全身全霊をかけて稽古に励んできたことでしょう。
母親は女である為に舞台の上に立つ事はできませんでした。
しかし、歌舞伎にかける想いは本物です。
子供であったユキノジョウの目の前で簪を腕に刺して見せたことからもそれは明らかでしょう。
その過去を見せられたからこそ、ユキノジョウがプリズムショーに出る許可を母が願い、父が許したシーンは家族としての愛情を特に感じさせました。
歌われた百花繚乱 隠された歌の意味とは
前作から思い悩んでいたユキノジョウは、等々自分自身を見つけ出します。
挿入歌『百花繚乱』に込められた意味を読み解いていきましょう。
千本桜スプラッシュ
歌の出だしから国立屋に生まれた自分の宿命を歌い上げる本楽曲。
生を受けた意味、宿命ならば逃げるなど愚かだと彼は歌います。
死ぬまで踊り続けるという内容の歌詞にも、歌舞伎とプリズムショーへの彼の覚悟の表れが見て取れますね。
国立屋スパイラル
続いてDNAを思わせる螺旋に乗って睨みをきかせ、そこでも彼は自身の覚悟を歌い上げます。
「逃れられぬ国立屋の血。もはや逃げぬ。私は生きる。太刀花ユキノジョウとして」
引用元:KING OF PRISM -Shiny Seven Stars-/配給会社:エイベックス・ピクチャーズ
これは今作品でユキノジョウが辿った全てのストーリーに対する答えそのものでした。
彼は今、全てを受け入れたのです。
国立屋としての太刀花ユキノジョウ、そして仲間に受け入れてもらった人間太刀花ユキノジョウである事を。
藤娘夢見心地恋地獄
そして一時期演じる事さえままならなかった藤娘。それは師匠が息を呑むほどのものでした。
百花王連獅子回転演舞
国立屋の伝統芸能である蓮獅子を演じて見せながら朗々と歌い上げるシーンでは、吹っ切れた想いと新たにした覚悟を改めて感じます。
「この身、命、朽ち果てようと、息の絶えるその瞬間までは踊り続けよう」
引用元:KING OF PRISM -Shiny Seven Stars-/配給会社:エイベックス・ピクチャーズ
全てを歌い上げる中で、彼は前作でシンが出した数字を超えてみせ、彼本来の魅力と実力が真のものであることを見せつけたのです。
百花繚乱は美しい見事な演技とジャンプ技であり、その歌詞に隠されていたのは、彼の歌舞伎とプリズムショーへのファイナルアンサー。
つまり、彼の新たな決意表明に違いありませんでした。
難易度の高い連続4回ジャンプを跳んだユキノジョウの今後
彼は自分の全てを出し切って跳び切る事ができましたが、それ見ていたユキノジョウの父が、彼の演技全てを理解し呟いたのにはどんな真意があったのでしょう。
「見つけたな。弱さが強さになるという事を」
引用元:KING OF PRISM -Shiny Seven Stars-/配給会社:エイベックス・ピクチャーズ
この父の言葉から分かるのは、ユキノジョウは自分の殻を打ち破り、全てを受け入れ強さに変える力を手にした、ということではないでしょうか。
何度かお伝えしているほおずきの花言葉。実はその実にも言葉があり、それには「心の平安」といった意味もあるのです。
花ではなく、ほおずきの実につけられた言葉は、まさしく悩みもがいた果てに実をつけたユキノジョウそのものだったのではないでしょうか。
まとめ
今回は「KING OF PRISM -Shiny Seven Stars-」から分かる太刀花ユキノジョウの衝撃的な真実を改めて解説してきました。
これまで見せることのなかった弱い部分、それは人間らしさ以外の何物でもありません。
女形としてトップスターだった彼の心に触れ、改めて夢にかける想いの強さを感じることができたのではないでしょうか。
また、挿入歌に隠れた意味にも彼の苦悩からの覚悟、そして決意を知ることができましたね。
これからの展開も気になりますが、太刀花ユキノジョウというキャラクターを理解するのに最も適した本作を、もう1度見返してみるのもいいかもしれません。