物語の設定なども踏まえながらじっくり見ていきましょう。
ロサンゼルスは現代社会の風刺
「プレデター2」におけるロサンゼルスは現代社会の風刺として設定・描写されています。
根拠は人口の急激な増加とそれに伴う温暖化現象、そして闇市場として横行する麻薬密売組織とロス警察との対立。
見事なまでに90年代にして既に現代社会の縮図がエッセンスとして詰め込まれているではありませんか。
逆にいえばそれだけ危険な場所でもあり、こういう危険な場所にこそ危険な人達が集まるのです。
ある意味ではプレデターもヒーロー
そのように現代社会の縮図としてのロサンゼルスで戦うとなると、一概にプレデターも「悪」とは断定出来ません。
寧ろこの戦闘民族が来ることで麻薬密売組織が潰れるのであれば彼らもヒーローとして扱われることでしょう。
いきなり地球に狩猟目的でやって来たという大枠があるから「侵略者」という偏見・先入観がかかってしまうのです。
確かにやってることは殺戮と略奪なので決して褒められた行為ではありませんが、無駄な侵略を彼らは行いません。
偶々戦いの舞台が地球のロサンゼルスだったというだけのことなのです。
人間から見たプレデター
しかし、当然ながら人間達からすると未知の怖い存在であることに変わりはありません。
ここでは人類から見たプレデターについて掘り下げてみましょう。
非合法な武装集団
人類から見たプレデターについて一番分かりやすい見識は政府が捕虜として捉えろという命令を下すところです。
これは即ちプレデターが非合法な武装集団であると認識していることの証左ではないでしょうか。
政府や国家権力は未知なる力、人知を超越した存在は何としても捕まえて力にしようとします。
その方が手っ取り早く武力強化に繋がり、犯罪や戦争などを鎮圧できるという心理があるからです。
逆にいえばそんな考えだから犯罪や戦争がいつまでも終わらないわけなのですが…。
繰り返される復讐の連鎖
その政府の象徴として描かれるのが特殊部隊に所属するキースの存在です。
彼のお陰でプレデターが実は10年前に現われたのと同一の種族であることが判明します。
これにより「プレデター2」の戦いが10年前に同胞を殺されたプレデター側の復讐劇となりました。
直接表にそう描かれていないだけで、プレデター側からしたら地球人もまた危険な民族として映ったのでしょう。
その為に無実の人々もまた殺されているのですが、そのような悲しい復讐の連鎖が本作の戦いを重くしているのです。
故に本作は実質星を跨いだスケールの大きい民族紛争であるという解釈も出来ます。
プレデターの実態
物語も終盤に向かうと、ハリガン達人類はプレデターの実態を知るに至ります。