ハワードも苦しい決断でしたが、メアリーも理由と記憶除去の事実を知って苦しんだのです。
メアリーが出した結論は、自分の人生をやり直すことでハワードの気持ちに応えることでした。
苦しさを乗り越えた時、過去のすべてを消し去り、未来へと進むきっかけを知ることができたのです。
記憶除去手術の目的と真の意味
記憶除去手術の目的は、過去を忘れ未来に向けて新しい道を歩き始めることでした。
手術を受けるだけで目的は達成できるのでしょうか。
記憶除去手術の目的を達成するには
記憶除去手術は、手術を受けようとした理由も同時に忘れてしまうので危険です。
手術へ至った動機を覚えていないと、記憶は消えても性格や行動が変わらないため同じことをくり返す恐れがあるからです。
同じことをくり返していたのでは前へは進めません。
未来へ進むためには、過去を忘れようとした理由を自分の意思として自覚する必要があると思われます。
ジョエルやクレメンタインのように、衝動に駆られて記憶除去を希望する人はさらに危険です。
忘れている大切な記憶も切り落としてしまう可能性があるからです。
現在の気持ちを冷静になって考えると、手術を受けない選択肢が生まれた可能性もあります。
記憶除去手術の真の意味とは、目的と危険性を明確にすることで、手術が本当に必要なのか考えさせることかもしれません。
メアリーが録音テープを配ったわけ
メアリーが新しい未来へ向かう決意をしたとき、手術実施者に初期カウンセリング時の録音テープを配ります。
他人の記憶を操作する記憶除去手術は正しいことではないと考えたのでしょうか。
メアリーの目的は、記憶除去を望んだ理由と当時の本人の状態を知ってもらうことだと思われます。
カウンセリング時の録音テープには、本人の当時の気持ちが赤裸々に語られています。
テープを聞くことで、同じ思いはしたくないと考えるでしょう。
同じことは繰り返さないという強い思いが、未来へ前進する手掛かりになるとメアリーは考えたのです。
ジョエルとクレメンタインはテープを聞いて何を思ったか
ジョエルとクレメンタインは偶然にもお互いのカウンセリングテープを聞くことになります。
一時的に衝動に駆られて手術を決意した2人ですが、お互いの記憶除去を望んだ理由を知ることになりました。
衝動的に記憶除去手術を受けた2人は、面と向かって相手に言えないようなことをテープに記録しています。
互いにショックを受けますが、未来へ前進するきっかけになったのです。
2人は性格上同じような事態になるかもしれません。
しかし、同じようになるかもしれないことを知っている2人なので自ずと結果は異なるはずです。
今まで以上にお互いの本心を分かり合った2人は、新しい未来へ歩き始めます。
エターナル・サンシャイン
記憶を消しても消えなかったのはジュエルとクレメンタインの愛でした。
運命的な再会は神の導きだったかもしれません。
お互いの愛情をより深く理解した2人は、何が起こっても変わらない絆で結ばれるでしょう。
エターナル・サンシャイン。
太陽のように、永遠に変わらない輝きに包まれた幸せな2人でした。