その中身もアイルランド人のエリー・ケドワードが事実無根のでっち上げで有罪にされたという悍ましいものです。
そしてその魔女狩りから1年後、エリーを有罪にした住民並びに子供の半数は何と謎の失踪を遂げてしまいました。
結果ブレアという街が廃墟になり、そこから「ブレア・ウィッチ」という伝説が生まれたのです。
本作の目論見の1つはこの「魔女狩りの伝説」の再現にあるといえるでしょう。
カニバリズム
本作の謎を考察していく上でもう1つ欠かせないのはラスティン・パー事件です。
1940年~41年にかけてラスティン・パーという男が起こした子供達や老女の内臓を抜き取るというものでした。
これらはどこなく「カニバリズム(人肉食)」を連想させる内容で、しかも誘拐されたカイル・ブロディがこう証言しています。
ラスティン・パーは僕に壁を向いて立てと言った。
エミリーの悲鳴がした。見るとパーが、顔に図形を刻んでいた。
「聞こえるか?」と僕に尋ねる。「女の声が聞こえるか?」と。
数日してエミリーを殺し、身体を裂き内臓をすべて取り出した。
死体を運び出して戻ると、「寂しくない。すぐ別のをつれて来る。」といった。引用:ブレア・ウィッチ・プロジェクト/配給会社:松竹
この証言が実は本作の謎を考察していく上で、とても重大なヒントとなりうるのです。
3人の生死
本作の細かな背景設定を押さえ、いよいよ本題となる3人の生死です。
劇中では最後までその行方は不明なのですが、その真相は果たしてどうだったのでしょうか?
明確な死が描かれたジョシュア
「ブレア・ウィッチ・プロジェクト」で明確にその死が描かれたのはジョシュアです。
彼は8日目に血まみれの白歯と髪の毛、そして破けた衣服の残骸のみという見るも無惨な状態になりました。
しかし、ここで疑問なのは彼がどのように亡くなっていたのかが不明なままであるということです。
獣に食われたのか人に食われたのか、その辺りが全く分からないまま死体だけが残されていました。
衣服と髪の毛、白い歯だけが残されていることからやはりカニバリズムで人に食われたのではないしょうか。
生死の行方が分からないマイケルとヘザー
明確な死が画面で示されたジョシュアに対して、全く生死の真相が不明なのがマイケルとヘザーです。
彼ら2人は最後まで行方が分からないままカメラを終えているため、不明瞭なまま謎として残ってしまいました。
マイケルは最後壁に向かって立ったままであり、ヘザーはそのマイケルを収めた後絶叫と共に消えています。
故にこの2人に関しては真相を語ることは出来ませんが、ヒントや伏線は幾つか残されています。
意味深な石の山とマイケルの裏切り
彼らがこのような末路を辿ったきっかけとして挙げられるのが魔所コフィン・ロックとマイケルの裏切りです。
魔所コフィン・ロックで野営した後の5日目の朝、テントの周囲に石の山が築かれるという奇妙な事態に遭遇しました。
しかもそれと連動するようにしてストレスを溜めたマイケルがこっそり地図を捨ててしまう形で裏切ったのです。
これは恐らくブレア・ウィッチ事件並びにラスティン・パー事件の再来の予兆だったのでしょう。
この後彼らは木々にぶら下がった人形を目にしたり、赤ん坊の声を聞いた瞬間テントが揺さぶられたりしています。