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本作は『スター・ウォーズシリーズ』9部作の完結にあたる作品で2019年12月20日、日米同時公開でした。
監督には続三部作の序章である第7作以来のJ.J.エイブラムズが戻り、42年に及ぶ『スター・ウォーズ』は歴史に幕を閉じました。
『遠い昔はるか彼方の銀河系で…』で始まり、タイトルと今までの概要が流れるお決まりのオープニングだけでファンの興奮は絶頂です。
そんな『スター・ウォーズ』ファンが待ちに待った本作の細部に込められた『完結編』としての意義を探っていきましょう。
スカイウォーカー・サーガ
この作品は、ひとつの映画でも三部作でもなく、9本の映画の終わりであると監督のJ.J.エイブラムズは語りました。
つまり、9作で構成された『スカイウォーカー・サーガ』の完結編であり、42年に渡ったシリーズの最終回なのです。
裏を返せば「別のサーガが始まる」かもしれないと捉えられますし、事実そういう話もディズニーやルーカスフィルムからも聞こえています。
3つのトリロジー
このシリーズは、「オリジナル」「プリクエル」「シークエル」の3つのトリロジーからなり、各々が違う時代の物語です。
各トリロジー間での世界観や登場人物はつながっており、それが壮大なサーガとなっています。
歴史の重み
『スター・ウォーズシリーズ』は各話で世界観や人間関係・生い立ちや立場・対立の構図などについて細かくは説明をしません。
初めて観る作品によっては、状況把握に手間取る人も多いでしょう。しかし、それでも楽しめるのが『スター・ウォーズの凄さ』なのです。
1977年、エピソード4から変則的に公開されてから本作まで42年もの月日が経ちました。
その歴史の重みには驚愕と共に畏敬の念さえ覚えます。
作品中ウェイファインダーを探して到着した惑星では「42年に一度のフェスティバル」が盛大に開催されていました。
『42年』というC-3POのセリフに「クスっ」としたスター・ウォーズファンも多いことでしょう。
シリーズ通してのテーマ
『スカイウォーカー・サーガ』9作にはある『共通したテーマ』があります。
それは『血』と『意志』です。
双子でありながら別々に育てられたルークとレイア。
特別な力を持ったアナキンにその意思を伝えられなかったオビ=ワン。
そして、ルークたちと同じように自分の生い立ちを知らずに生きてきたレイと知りながら苦悩したレン。
出自と背負った宿命が『血』であり、その宿命から脱却しそれより強い絆を築くことが『意志』なのです。
帝国の主要人物とレジスタンスの主要人物は皆何かしら『血』の繋がりを持っています。
この宿命からの『意志』による脱却がテーマです。
この9作からなるサーガは、スカイウォーカーの『血』と、その『血』よりも強いスカイウォーカーの『意志』の物語といえます。
レイアの言葉の意味
レイア・オーガナを演じたキャリー・フィッシャーは残念なことにエピソード8公開直前の2016年に亡くなりました。
しかしエピソード7で収録した未公開映像を利用して本作にも出演しています。
その時の芝居に合わせて脚本も書かれたのだそうです。
そんな中でとても印象的なセリフがありました。
ドロイドへの思い
レイがジェダイの修業に集中できずルークのライトセーバーをレイアに返した時、BB-8が何か言いました。
おそらく「いらないならボクにちょうだい?」的なことでしょう。
「あなたには無理」と応えたレイに対して、レイアはこう言ったのです。
ドロイドを侮ってはダメ
引用:スター・ウォーズ・スカイウォーカーの夜明け/配給会社:ウォルト・ディズニー・スタジオ・モーション・ピクチャーズ
旧三部作でもレイアはC-3POやR2-D2に助けられましたし、彼らを本当の『戦友』と思っています。
『友人』に話すように軽い気持ちでBB-8に掛けたレイの言葉に対して真顔で注意したレイア。
この後の展開でドロイドたちが無くてはならない役割を演じるであろうことが感じられるシーンです。
そしてドロイドたちは予想通り活躍し、それだけでなく思わずホロリとさせられる感動的な見せ場も用意されていました。
レイへの思い
エクセゴルを見つけるために惑星パサーナへと出かけるレイに、もう一度ルークのライトセーバーを渡したときのレイアの言葉です。
本当の自分を恐れないで
引用:スター・ウォーズ・スカイウォーカーの夜明け/配給会社:ウォルト・ディズニー・スタジオ・モーション・ピクチャーズ
これには深い意味があります。
レイの父親がパルパティーンの息子であることをレイは知りません。
しかし、カイロ・レンと共にシスの玉座に座っている夢を見た自分が信じられないままなのです。
とてつもない恐怖であり、恐怖や憎しみがフォースを『ダークサイド』に引き込むことはわかっていました。