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2014年に公開されたコメディドラマ映画「グランド・ブタペスト・ホテル」。
ピンクでかわいい色使いと、時間軸によって3種類の画面サイズを駆使した映像がウェス・アンダーソン監督らしい世界観を生み出しています。
ストーリーは、コンシェルジュとベルボーイがマダムDの謎の死に巻き込まれたことから始まる逃走劇。
そんな中で見えてくる陰謀・極秘の手紙が周囲に与えた影響・ホテルに残された思いについて考察をしていきます。
マダムDの陰謀
マダムD本人が予感していたように、彼女は何者かによって殺されました。
初めに開封された遺言には息子ドミトリーに遺産を譲る旨が書かれていたのですから、真先に疑われるのは息子です。
しかしこんなにあからさまな犯行を息子がするでしょうか?
マダムD死の予感
バレないようにジョプリングに邪魔者を暗殺するよう指示するくらいのズルさを持っているドミトリー。
彼ならもっと複雑な罠を仕掛けてきそうなものです。
マダムDも息子のズル賢さを知っていて、いざという時用の新たな遺言を作成したのでしょう。
それだけドミトリーが遺産に執着していたのは間違いありません。
彼は早く遺産が欲しいがためにマダムD殺害を計画し、その罪を誰になすりつけるか日々考えていたはずです。
そしてマダムD周辺の調査をし、グスタヴの存在が浮上したと思われます。
そうでなければドミトリーがグスタヴとマダムDの肉体関係を知るはずがありません。
さすがにマダムDがそんな事実を誰かに話したとは考えにくいです。
このスキャンダルを嗅ぎつけたドミトリーは、機が熟したといわんばかりにマダムDに死の罠を仕掛け始めたと考えられます。
そのためマダムDが敏感にもそんな殺気を感じ取っていたのかもしれません。
全てはドミトリーの陰謀
きっと第二の遺言の原本はドミトリーに破棄されたのでしょう。
それさえも考慮に入れたマダムDは用心に用心を重ねて、第二の遺言の写しを作っておいたと考えられます。
この写しの存在を知ったドミトリーは「やられたー」と思ったに違いありません。
どれだけ陰謀を企てようともマダムDには敵わなかったのです。
極秘の手紙が周囲に与えた影響
「少年と林檎」の絵の裏に隠された極秘の手紙は第二の遺言の写し。