これは本テーマではありませんが、もう一つ本作が先駆けて取り組んでいたのが「毒親」でした。

「ヘアスプレー」で一番毒親の特徴が出ていたのはペニーの母プルデンスです。

彼女もまたアンバーや彼女のご両親同様ペニーから自由な心を奪い取ろうとし、そして失敗しました。

こうしてみると毒親の本質もまた「奪うこと」にあるのではないでしょうか。

どんな親だって自分の子供が可愛くて好きで愛情を注いでいるからこそ、あれこれしたくなるものです。

しかし、それが度を超して過干渉・過保護な面が強くなるとそれは束縛、即ち「奪う」となります。

差別や偏見に端を発するあらゆる人間の負の感情、その本質はやはり「奪う」ことにあるのかもしれません。

黒と白の要素が散りばめられた真意

黒と白のはざま (小学館文庫)

本作にはあらゆる部分に「黒と白」という要素が散りばめられています。

それらは一体どのような意図の元に作られているのでしょうか?

プラカード

プラカード

「ヘアスプレー」には八種類のプラカードが登場します。中身は以下の通りです。

Let our children dance
Black and white unite
Black and white is outta sight
Integration now
Integration not segration
Integration yes segration no
TV is black and white
Do the checker board

引用:ヘアスプレー/配給会社:ギャガ

このプラカードの中で目立つのはblack and white(黒人と白人)とIntegration and segration(統合と分離)です。

本作が至るとことで黒人と白人の間の差別、分離をなくして統合するか、一つに混ざるかをテーマにしています。

そして最後のプラカードの意味はオセロだって白と黒の二つがあるからゲームとして成立するというものです。

ここからも本作がどれだけ白人至上主義への批判をしっかり行っているかが分かります。

最後のダンス衣装

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そして本作で一番分かりやすい視覚的な黒と白はトレイシーがリンクとの社交ダンスで着た白黒のドレスです。

これは正しく彼女の何をも差別しない、黒人も白人も皆同じという精神の表れといえるでしょう。

そんな自由な心を持つ彼女だからこそ見た目や人種といったものを超越してリンクの心を射止めました。

こうしてみると黒と白の要素、それは同時に「光と影」のような一対の存在であることの表象ではないでしょうか。

違いがあるからこそ面白い

違いあること

「差別と偏見」という重いテーマを破天荒な主人公で明るく、しかし馬鹿にせず描ききった「ヘアスプレー」。

最後まで見ていくと一番印象として残るのは「違いがあるからこそ面白い」ということです。

「みんな違ってみんないい」といいますが、それは差別や偏見を乗り越えた人にしか分かりません。

大事なのは一つの物差しだけで物事を判断せず、思いやりと尊敬をもって人と接していくことです。

表現こそコメディでも中身は凄く真っ当なメッセージを今尚我々に伝えてくれています。

だからこそ時代や国を超えて愛される不朽の名作となっているのではないでしょうか。

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