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怖すぎて子供には見せられない童話「誰かが墓地からやってくる」を基にして制作された「スケアリーストーリーズ 怖い本」。
ギレルモ・デル・トロ監督が創り出すモンスター達は、どれも個性的で気持ち悪い魅力に溢れています。
そんなモンスター達を操るサラに翻弄されつつ、主人公ステラがサラの想いを受け止めてラストを迎えました。
今回はそんな怖い物語の中で描かれた、サラの本の謎・ステラが最後に描いたサラの真実・ラモンを襲うモンスターの正体に迫るたいと思います。
児童文学がもとになっている
もともと児童文学を元ネタにして製作された「スケアリーストーリーズ 怖い本」。
海外の児童文学といえばグリム童話が日本でも有名です。
今回の作品のもととなった「誰かが墓地からやってくる」。
グリム童話と同じように短編物語を集めて一冊にまとめられた本ですが、残念ながら絶版になっています。
今作で監督が児童文学をもとにした意図とは何だったのでしょうか。
児童文学は教訓を伝える
児童文学はただの娯楽のために書かれた本ではなく、子供に伝えたいメッセージが込められたいるものです。
「赤ずきん」や「ヘンゼルとグレーテル」などのグリム童話は面白いだけでなく、実は残酷さと教訓が表現されていることは広く知られています。
そして同様に「誰かが墓地からやってくる」も教訓を含んだ物語集なのです。
成長物語
悪い事をすると自分にしっぺ返しが来るという教訓は子供にも理解しやすいです。
映画の中で最初に犠牲になったトミーが、カカシを粗野に扱っていたら仕返しされ、トミー自体がカカシになった場面は良い例えでしょう。
逆に生き残った登場人物は、彼らが欠点・弱点を克服し、心を入れ替えることで成長するチャンスを得ています。
ですからこの映画はただモンスターに襲われるだけで終わらず、これまでの自分から脱却する成長物語でもあると考えられます。
ラモンを襲うモンスターの正体
ラモンを襲うモンスターは、切断された手足を自由に組み替えられるという驚きの生態をしていました。
かなりインパクがありますが、なぜこのモンスターがラモンを襲う役になったのでしょうか。
その答えはラモンの過去を覗く必要がありそうです。
ジャングリー・マン
ラモンを襲ってきたモンスターの名前はジャングリー・マン。
手足がバラバラで気持ち悪い姿をしていますが、このモンスターがラモンを襲う役になったのは彼の弟の存在が関わっています。
ラモンのトラウマ
行かなくてはいけないベトナム戦争の徴兵からラモンは逃げていました。
どうして彼は徴兵を拒否したのかというと、弟が戦争によって死んでしまったからです。
しかも体がバラバラになった状態で。